icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

雑誌目次

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 排卵誘発

1.クロミフェンの1日投与量は50mgから始めるべきか,100mgでもよいか,上限は?

著者: 小田高久 ,   石塚純子 ,   石見大輔

ページ範囲:P.1362 - P.1362

クエン酸クロミフェン(CC)の基本的留意事項
 ①抗エストロゲン薬に分類される.
 ②添付文書には「1日50mg,5日間の投与を原則とし,無効の場合は1日100mg,5日間に増量する.用量・期間は1日100mg,5日間を限度とする」と記載されている.

2.潜在性高プロラクチン血症の判定法と治療の効果は?

著者: 合阪幸三

ページ範囲:P.1363 - P.1364

 昼間の一点採血では正常値を示すが,夜間や,各種負荷テストにより高値を示す潜在性高プロラクチン血症は,排卵障害の原因のうち少なからぬ頻度を占めることから近年注目されている.本稿では,潜在性高プロラクチン血症の診断および治療効果について述べる.

3.HMG製剤とFSH製剤の使い分けは?

著者: 吉田博

ページ範囲:P.1366 - P.1368

 閉経後婦人の尿から抽出したHMG製剤は強力な排卵誘発作用を有し,現在わが国においても広く用いられている.1975年にヒュメゴン®が導入されたのを皮切りに各種のHMG製剤が使用可能になるとともに,現在ではLH成分をほとんど含まないFSH製剤も使われている.さらに遺伝子工学の技術を用いて作製したLH成分をまったく含まない遺伝子組換え型ヒト卵胞刺激ホルモン製剤(recombinant FSH)も現在臨床試験中である.
 一方,HMG製剤ならびにFSH製剤には,卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症や30%にも及ぶといわれる多胎妊娠率などの問題も多く,その使用に際しては十分な注意を払う必要がある.

4.hMG-hCG療法で,OHSSと多胎妊娠についてのインフォームドコンセントのとり方は?

著者: 齊藤英和 ,   中原健次 ,   広井正彦

ページ範囲:P.1370 - P.1371

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・多胎妊娠は,通常何もしなければ発症しない病態である.この発症のためにはなんらかの排卵誘発法が行われている.排卵誘発法は自然では排卵が起こらない症例に対して卵胞発育を促し受精可能な卵を排卵させる方法である.しかし最近では排卵があっても妊娠しない症例で通常の検査ではどこにも不妊原因が見あたらない症例に対しても排卵誘発を行い妊孕性を高める方法がある.いずれにおいても排卵誘発を行えば通常多数の卵胞が発育してくる.このことが卵巣の腫大や血中のエストラジオールの高値を引き起こし,OHSSの症状を引き起こすことになる.またこれら多数の卵胞より多数の卵が排卵することにより,多数の卵が受精・着床し多胎妊娠を生じる.
 本邦では昔から治療に関しては医師に一任するという傾向が強いが,アメリカ病院協会の「患者の権利章典に関するアメリカ病院法協会宣言」や本邦での改正医療法附則第2条の「医療側の適切な説明と受療者への理解の配慮について検討,その結果に基づく必要な措置を講ずる」の発表以来,インフォームドコンセントの概念は広く一般の人にも理解されるようになった.

5.OHSSの重症度の判定と治療法は?

著者: 荒木重雄 ,   佐山雅昭

ページ範囲:P.1372 - P.1375

 OHSSはその重症度あるいは病期により適した治療法が異なるため,その正しい病態の評価が重要である.また,最近問題となっている重篤な合併症の発症を未然に防ぐためにも,状況を正確に把握することが必要である.重症度を誤って評価し,不適切な処置を行えば,危機的な状態を惹起しかねない.
 これらの認識のうえに立ってOHSSにどのように対処するかが問題になる.臨床検査所見の異常の改善を直ちに目指すべきか,血液濃縮や乏尿を生体の防御機構の一端ととらえ,合併症の発現を回避しながら病期の改善を待つべきかはいまだ一致した見解に達していない1,2).筆者は多数の自験例から後者を妥当と考えている3).本稿においては,OHSSの対処法の基本は,水分制限・アルブミン補充療法であるという,筆者の考えを中心に述べてみたい.

6.前回OHSSを起こした場合の休薬期間と治療法の工夫は?

著者: 佐山雅昭 ,   荒木重雄

ページ範囲:P.1376 - P.1377

 筆者らの生殖内分泌・不妊センターでは,前回,重症OHSSが発現した症例に対し,一定の休薬期間を置き,その後の排卵誘発(あるいは卵巣調節刺激)は低用量hMG漸増法1-3)にしたがって施行している.本稿ではその要点について述べてみたい.

7.卵胞成熟後のhCG投与のタイミングは,投与量は?

著者: 安藤一道 ,   劉暁偉 ,   伊吹令人

ページ範囲:P.1379 - P.1379

hCG投与のタイミング
 排卵誘発においてhCGを投与する目的は,内因性のLH/FSHサージが起こらない症例に対して外因性のLHサージを起こし,卵の成熟と卵胞破裂を引き起こすことである.hCG投与のタイミングを決定するためには,卵胞発育をモニターし卵胞の成熟を判断する必要があり,卵胞成熟が認められない時点でhCG投与を行うと卵胞の閉鎖化が起こり排卵に至らない.
 卵胞成熟の指標としては,頸管粘液検査や尿中エストロゲン(E)測定,血中エストラジオール(E2)測定,経腟超音波診断などが利用可能であるが,今日,臨床的にはその簡便性から経腟超音波断層法による卵胞径の測定が頻用されている.ゴナドトロピン療法による過排卵刺激においては,平均卵胞径が17mm以上では16mm以下に比べ有意に排卵率が高いことから,17mm以上の卵胞ではhCGにより卵胞の破裂が起こりやすい(表)1).ただし小卵胞(10〜14mm)から採卵された卵子の受精率(76%)と20mm以上の卵胞の受精率(96%)に有意差がないことから,卵胞径から判断した卵胞成熟と卵の成熟とは必ずしも一致しない2)

8.LUF症候群の診断基準とその頻度は?

著者: 仲野良介

ページ範囲:P.1380 - P.1383

LUF症候群とは?
 正常な周期の月経があり,排卵の成立が推定されるにもかかわらず,卵の放出がみられない状態があり,黄体化非破裂卵胞症候群luteinizedunruptured follicle syndrome(LUF症候群)1)と呼ばれている.

9.PCOSの排卵誘発法としてはなにが適当か?

著者: 桑原章 ,   苛原稔 ,   青野敏博

ページ範囲:P.1384 - P.1387

PCOSに対する排卵誘発法の問題点
 PCOS(多嚢性卵巣症候群)に対する排卵誘発法の第一選択は現在のところクロミフェンである.経口排卵誘発剤であるクロミフェンは安価で副作用も少ない.クロミフェン単独療法(hCG併用を含む)の排卵率は50%前後,妊娠が成立する症例は全体の10〜30%と報告されている1).裏を返せば,クロミフェン療法で卵胞が発育しない症例が50%近く存在し,排卵するものの妊娠には至らない症例も多いことになる.したがって診療上問題となるのはクロミフェンが無効なPCOS症例に対する排卵誘発治療の選択である.多くの方法(表1)があるが,実際一定の選定基準がないため迷うことも多い.
 ゴナドトロピン療法は排卵誘発効果が高いが,多数の卵胞が同時に発育し卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎妊娠を招くことがあり問題となっている.近年,ゴナドトロピン療法に工夫を加えた有効かつ副作用の少ない治療法の効果が報告されている.また最近,自然周期と同じ卵胞発育が期待できる腹腔鏡下手術による排卵誘発法も見直されている.

10.プロラクチノーマの治療は手術か,ブロモクリプチン療法か?

著者: 小池浩司

ページ範囲:P.1388 - P.1390

 近年,月経異常や不妊婦人に対する,血中プロラクチン(PRL)値の測定のルーチン化やCTスキャン,MRIなどの画像診断の普及にともなって,プロラクチノーマ(プロラクチン産生下垂体腫瘍)が直経1cm未満の微小腺腫(マイクロアデノーマ)の段階で容易に発見されるようになった.
 現在,プロラクチノーマの治療法としては,手術療法としての経蝶形骨洞手術(Hardy手術)と薬物療法としてのブロモクリプチン療法が広く用いられている.しかし,本疾患が手術療法により必ずしも完治しうるとはかぎらないこと,プロラクチノーマ婦人は不妊を主訴とすることが多いこと,またプロモクリプチンにプロラクチノーマを縮小させる作用があることなどから,腫瘍の大きさや患者の主訴により手術療法とブロモクリプチン療法をそれぞれ使い分けるようになってきた.しかしどちらを優先するのかといった治療方針に関しては,施設,並びに脳外科医や産婦人科医によっても若干異なり,一定の見解が得られていないのが現状である.そこで本稿では産婦人科医の立場からプロラクチノーマの治療方針に関しての考えを示したい.

11.不妊症に漢方療法は有効か?

著者: 斎藤裕

ページ範囲:P.1392 - P.1392

現代医学の不妊治療のなかでの漢方療法
 近年,産婦人科で最も技術的に進歩した領域はIVF-ETを代表とするassisted reproductionであろう.一方,古来からの療法である漢方が不妊症治療,とくに黄体機能不全や原因不明の不妊症に対して多く用いられており,現代の産婦人科医は漢方医学で言う“証”をうまく使い分けて処方していると思われる.いくつかの漢方治療による治療成績の報告について紹介する.

12.黄体機能不全の治療はプロゲストーゲンか,hCGか,診断と治療法は?

著者: 藤間芳郎 ,   田原隆三 ,   斎藤裕

ページ範囲:P.1394 - P.1396

 黄体機能不全(luteal insufficiency)は,日本産科婦人科学会の用語集では,「黄体からのエストロゲンとプロゲステロン(P)との分泌不全により,子宮内膜の分泌性変化が完全に起こらないものをいう.妊卵の着床障害による不妊の原因として重要である」と規定されているが,はっきりとした定義はなく各施設によって異なっている.病因として排卵性月経周期において原始卵胞より発育卵胞,成熟卵胞を経て黄体形成に至る過程の異常と,その黄体機能の維持機構の異常に分類されて考えられていることが多い.本稿では,黄体機能不全の診断と治療について概説し,さらにluteal supportとしてプロゲストーゲンとhCGのどちらが有効かを検討する.

子宮内膜症

1.軽度の子宮内膜症はなぜ不妊の原因になるか?

著者: 多賀理吉

ページ範囲:P.1398 - P.1399

軽度子宮内膜症と不妊
 通常の検査で原因が明らかではない,いわゆる機能性不妊症患者の腹腔鏡検査で,内診などでは捉えられない軽度の子宮内膜症が見いだされることが多い.このことからも,軽度の子宮内膜症が不妊の原因の1つとして重要であることがわかるが,本症でなぜ不妊となるのか,そのメカニズムに関しては不明の点が少なくない.これは,子宮内膜症それ自体の発生機序についてもいまだ十分解明されていないことにもよるのであろう.
 子宮内膜症により卵巣や卵管あるいは子宮の周囲が癒着したり,frozen pelvisのように病変が広範囲に進展したstageでは,卵のpick upや卵・精子の輸送が障害されるために妊孕性が妨げられているということは容易に想像される.

2.子宮内膜症に対してGnRHアゴニストを用いた場合,どの時期に妊娠しやすいか?

著者: 斎藤理恵 ,   岩下光利

ページ範囲:P.1400 - P.1400

 子宮内膜症と不妊症との関係を正確に疫学的に見ることは困難であるが,子宮内膜症を合併した婦人の30〜40%が不妊であり,不妊症例の6〜15%が子宮内膜症を主原因としていると考えられる.
 子宮内膜症に対してGnRHアゴニストを使用した後の妊娠率に関しては多くの報告があり,子宮内膜症の進行度で成績が異なってくることが報告されている.そのうちのいくつかを紹介すると,内膜症婦人の妊娠率は,腹腔鏡下での診断でR—AFS I期の軽度の内膜症では待機群での妊娠率も25%と高く,GnRHアゴニストによる治療後の35%という妊娠率との有意差は明らかではない.R-AFS II〜III期の場合は,GnRHアゴニストによる治療群のほうが待機群より妊娠率が高い傾向にあり,R-AFS IV期の重症例では治療の有無にかかわらず妊娠率は低い1).R-AFS分類I〜II期の婦人の自然待機群とGnRHアゴニスト治療群での18か月間の累積妊娠率は治療法や治療の有無による有意差はなかった2)との報告もある.したがって,軽微な子宮内膜症の場合は自然待機が,臨床症状を伴った中等度〜重度の内膜症にはGnRHアゴニストによる治療が望ましいと考えられる.

3.子宮内膜症に対するGnRHアゴニストとダナゾールの使い分けは?

著者: 斎藤理恵 ,   岩下光利

ページ範囲:P.1401 - P.1401

 子宮内膜症の薬物療法に用いられているダナゾールとGnRHアゴニストの治療成績と効果に関しては多くの報告があるが,優劣つけがたいのが現状である.したがって投与を考える場合はその作用機序と副作用の違いから薬剤を選択するのが妥当と思われる(表).
 GnRHアゴニストは,天然のGnRHの50倍以上高い受容体への親和性を持ち,GnRH受容体のdown regulationを起こし,下垂体からのゴナドトロピンの分泌を低下させる.その中枢作用により卵巣からのエストロゲン分泌を抑制し,子宮内膜症組織を萎縮させる.ダナゾールの作用機序は多岐にわたっており,中枢性のLHサージの抑制や卵巣でのステロイド産生の抑制,子宮内膜症組織の増殖に対する直接抑制作用などさまざまである.また,子宮内膜症の発生機序には免疫異常の関与も示唆されているが,ダナゾールは子宮内膜症にみられる免疫異常を改善することも報告されている.

4.腹腔鏡を使わないで子宮内膜症を診断した場合の正診率は?

著者: 星合昊

ページ範囲:P.1402 - P.1403

 子宮内膜症は,従来強度な月経困難症など痛みを主訴とする疾患であり,不妊を伴う場合も大部分は治療困難な症例であった.しかし,不妊症の診断に腹腔鏡検査が積極的に行われるようになると,疼痛を伴わない子宮内膜症が多数発見されるようになり,子宮内膜症と不妊1-3),子宮内膜症と痛みとの因果関係が改めて考え始められてきているが,すべてを説明できる定説はない.現在では骨盤子宮内膜症は疼痛と不妊を主訴とする疾患であるといわれている.疼痛には,月経困難症,下腹痛,腰痛,性交時痛,排便痛などの自覚症状がある.疼痛を主訴とする例でも重症の例では不妊を伴うことが多い.一方,不妊症を主訴とし疼痛を訴えない例であっても腹腔鏡検査を施行すると30〜60%の頻度で骨盤子宮内膜症が確認される.臨床進行期(Re-AFS分類)による重症度と月経痛などの疼痛の重症度には相関がない4).他の臨床症状では,月経過多症は臨床進行期にとくに一定の傾向は認められなかったが,不正出血,性交痛,排便痛は重症例に多い傾向がある.
 このような現状を鑑み,日本産科婦人科学会子宮内膜症診断基準設定委員会での検討の結果,子宮内膜症は開腹か腹腔鏡等直視下で診断しなくてはならないとの結論を得た.しかし実際には,挙児希望のない子宮内膜症に全例腹腔鏡を実施することの臨床的困難さも考慮しなくてはならない.

5.子宮内膜症による不妊症に対して手術に踏み切るタイミングは?

著者: 星合昊

ページ範囲:P.1404 - P.1406

 子宮内膜症による不妊症に対して,どの時点で手術療法に踏み切るか.とくに薬物療法との組み合わせにっいては,現時点では医師により意見の異なるところである.近年,腹腔鏡下手術の進歩・普及により従来の開腹手術とは異なった予後が期待されている一方,抗子宮内膜症薬の子宮内膜症性癒着に対する効果も推定され始めている1)(図1)かたわら,子宮内膜症に対する根治性に疑問が生じているためであろう.本稿においては筆者の現時点での考えを紹介する.

男性不妊

1.AIHの際に排卵促進を行うべきか?

著者: 都竹理

ページ範囲:P.1407 - P.1407

AIHの際に排卵促進を行うべきか?
 「AIHの際に排卵促進を行うべきか?」との質問に対し筆者は「是非行うべきだ」と答える.その理由は後述する.
 ところで,AIHを成功させるためには次の3点が肝要である.

2.AIHの際の精子の処理は妊娠を高めるか?

著者: 見尾保幸

ページ範囲:P.1408 - P.1409

解答 イエス(高める)
 男性不妊に対する配偶者間人工授精(AIH)の安全な実施と妊娠成立を左右する因子は,①精子濃度の改善,②運動良好精子の回収,③精漿および血球成分の除去,と考えられる.従来は,これらの因子をクリアできる適当な精子処理法がなく,長らく原精液を直接子宮内に注入する方法が用いられていた。当然のことながら,この方法では,治療的意義に関する評価よりも,感染,アナフィラキシー,子宮収縮などの副作用に強い関心が寄せられ,その実施は制限されていた.AIHが男性不妊に対する第一選択の治療法として積極的に評価されるに至った経緯は,体外受精(in vitrofertilization:IVF)のための精子調整に開発されたいくつかの精子処理法が全面的に応用され,上記の因子を容易にクリアできる状況になったからである.以下に,男性不妊に対するAIHの際の精子処理法とその治療成績について述べる.

3.AIHは頸管内投与と子宮腔内投与のどちらがよいか?

著者: 見尾保幸

ページ範囲:P.1410 - P.1411

解答 子宮腔内投与(intrauterine insemina—tion:IUI)
 従来から,人工授精(artificial insemination)が行われる際に,頸管内投与(intracervical in—semination:ICI)が選択される場合は,外陰や腟の奇形や器質的疾患による性交障害,donorinsemination(DI),さらに頸管の走行異常によるIUIの不可能な症例などに限られており,男性不妊に対する治療法として配偶者間人工授精(AIH)が行われる場合はIUIが原則である.AIHのためのIUIのキーポイントは,①適切な精子処理法,②卵巣刺激法の併用,③排卵時期に合わせた実施,④実施方法の工夫,の4点と考えられるが,本稿では②を除く3点に関して述べる.

4.AIHは妊娠しなければ何回で打ち切るか?

著者: 都竹理

ページ範囲:P.1413 - P.1413

 筆者は本特集「AIHの際に排卵促進を行うほうがよいのか?」の項(1407ページ)で述べた「AIHを成功させるために必要な3条件」をできるだけ満足させる方法でAIHを行っている.
 すなわち,GnRHアゴニストを点鼻のうえ,HMGまたはFSHの注射を行って卵巣を刺激し,首席卵胞が20〜22mmに達した時点でHCG(5,000単位)に切り替え,HCG注射後36時間目にAIHを行っている.またAIH当日は夫も来院してもらい,可能ならば精液を2回続けて採取し,2回分まとめて濃縮してAIHに供している.このような方法で行ったAIHの治療成績を以下に述べる.

5.男性不妊症を泌尿器科へ送るタイミングは?

著者: 小林俊文 ,   末岡浩 ,   吉村泰典

ページ範囲:P.1414 - P.1415

 不妊患者のなかで男性因子を伴う夫婦は,少なくとも50%以上を占めるといわれ,高頻度の不妊原因である.産婦人科診療のなかで精液検査を行い,精液所見不良例についてその原因診断と治療が必要となるときに泌尿器科へ依頼して協力を仰ぐべきことが多い.
 泌尿器科を併設していない診療施設の場合や,泌尿器科があっても不妊を専門とせず,また診療の質および量の両面で制限のある場合など,施設の機構によって協力体制もさまざまである.主に男性不妊患者の中でとくに泌尿器科への依頼が必要と考えられる状況について述べることにする.

6.男性不妊症の体外受精の適応は?

著者: 小林俊文 ,   久慈直昭 ,   吉村泰典

ページ範囲:P.1416 - P.1419

 精液検査において異常を認める不妊カップルから体外受精の相談を受けることは,不妊症診療に携わる医師であれば日々の診療で頻繁に遭遇する.ではいったいどのように患者に説明を行うかとなると,明確に論理的な答えを出すことは非常に難しいと言わざるをえない.すぐに体外受精をすすめたほうがよい場合もあり,検査をすすめるべき事例や,他の治療法をまず施行すべき事例も存在する.
 男性不妊に対して体外受精を応用する場合,多くの症例で顕微授精法を施行することになるため,ここでは顕微授精法を前提とした体外受精を,いつ,どのような患者に適用すべきかを,その有効性と限界,そして危険性の面から解説する.

卵管,子宮

1.不妊症例における腹腔鏡の適応は?

著者: 関賢一 ,   岩田壮吉 ,   小澤伸晃 ,   岩田嘉行

ページ範囲:P.1420 - P.1421

 技術的進歩と相まって周辺機器の充実により最近の腹腔鏡下手術の普及は目覚ましいものが見られる.一方,歴史的に見ると,腹腔鏡は,避妊手術を除けばその多くは不妊症に対する検査と簡単な治療がその目的であったといえる.これまで不妊症に対する適応のほとんどは子宮卵管造影法(HSG)で異常の見られるものであったが,卵管通過性,骨盤内癒着,卵管周囲癒着などの診断におけるHSGと腹腔鏡の不一致率は高く,腹腔鏡がこれだけ普及した今日,原因不明の機能性不妊や長期不妊も含め,可能であればすべての不妊症患者に対して,ルーチン検査の1つとして施行したいものである.本稿では現在一般的に行われている不妊患者に対する腹腔鏡の利用状況について述べる.

2.卵管因子不妊に通水法は何回まで行うべきか?

著者: 関守利 ,   伊藤理廣 ,   竹内巧 ,   上条隆典 ,   伊吹令二 ,   伊吹令人

ページ範囲:P.1422 - P.1425

 卵管性不妊の治療として内視鏡下手術,マイクロサージェリーや体外受精—胚移植,片側卵管の通過性がある場合のGIFT (gamete intra fallopiantransfer),PROST (pronuclear stage intubaltransfer),TEST (tubal embryo stage transfer)などのassisted reproductive technology(ART)が臨床治療に応用されるようになった.筆者らが開発した腹腔鏡下大量通水と従来の通水法との比較をするとともに過去における通水法の報告と併せて,通水法の外来診療における治療回数について考察する.

3.卵管鏡により卵管疎通性の改善は可能か?

著者: 末岡浩 ,   小林俊文 ,   吉村泰典

ページ範囲:P.1426 - P.1427

 卵管不妊症は女性側不妊原因のなかで最も頻度が高いとされ,卵子を回収し,受精および胚成育の場でもある卵管の病態把握や治療は意義深い.しかし,顕微鏡下手術を含め,従来より卵管閉塞に対する治療成績は十分なものとはいえず,とくに間質部の閉塞は治療困難であることが多かった.そのため,体外受精の適応として急速な治療法の変化が生じた.しかし,より生理的な妊娠成立を希望する場合や体外受精の適応に対する再検討から,新たに開発された侵襲の少ないカテーテルによる治療が有効な治療法として位置づけられるようになった.

4.子宮鏡の適応は,その進め方については?

著者: 可世木久幸 ,   荒木勤

ページ範囲:P.1428 - P.1430

 1986年に経腟超音波法とヒステロファイバースコープが同時に本邦の婦人科領域に導入され10年を経過した.この間に経腟超音波は研修医を含むすべての婦人科医がマスターしたといっても過言ではない.
 それに対して欧米ではヒステロファイバースコープを含め子宮鏡は婦人科医の必須技術とされているが,本邦では利用率が低い.実際に行ってみるとヒステロファイバースコープは手技は簡単であるが,そのテクニックを伝えるのがやや困難な印象を受ける.そこで本論文ではヒステロファイバースコープの適応とともにその方法を簡略に述べる.

5.不妊患者の筋腫核出術の適応と効果は?

著者: 松浦講平 ,   岡村均

ページ範囲:P.1432 - P.1433

適応
 子宮筋腫核出術(以下,核出術)の適応は,他の不妊因子の治療によって妊娠が十分期待できる例に核出術を先行する場合と子宮筋腫(筋腫)以外に他に明らかな不妊因子がない場合に分けて考える必要がある.
 前者には排卵障害例や体外受精—胚移植の適応例が挙げられるが,着床期とともにそれ以降の問題点,すなわち妊娠・分娩・産褥経過への影響を考慮したうえで判断する必要がある.

6.クラミジア抗体陽性不妊症患者の治療とその効果判定は?

著者: 野口昌良

ページ範囲:P.1434 - P.1436

 不妊症患者とりわけ卵管性不妊症患者の多くが,クラミジア・トラコマティス感染症の結果,卵管の機能障害により妊孕性が損なわれることはすでに十分知られるようになっている1).このようなタイプの不妊症患者は原因となるクラミジア感染からすでに長い経過のあるものが多く,子宮頸管からのクラミジア抗原検出がすでにできなくなっているものの,腹腔内のクラミジア感染が継続していたり既往感染を反映するため,抗クラミジア・トラコマティス抗体検査はしばしば行われることになる.
 クラミジア抗体陽性不妊症患者の治療について概述する.

免疫性不妊

1.原因不明不妊患者の取り扱いはどのようにしたらよいか?

著者: 楠原浩二

ページ範囲:P.1438 - P.1439

原因不明不妊unexplained infertilityとは
 原因不明不妊unexplained infertility(以下,UIと略)とはそのまま解釈すると不妊原因を明らかにするための不妊の諸検査を行っても明らかな不妊原因を見いだせない不妊症ということである.したがってこれをさらに分ければ検査では明らかにできないものの何らかの不妊原因が潜んでいる例もあるであろうし,まったく不妊原因が存在しない場合もある.さて問題の一つはその検査法の内容である.
 ちなみに1977年におけるLenton1)のUIの診断基準は,①精液所見が正常であること,②子宮が正常であること(子宮筋腫や子宮奇形がない),③子宮卵管造影法(HSG)あるいは通気法にて卵管の疎通性が保たれていること,④BBTにて正常な2相性を有する正常な月経周期を有すること,⑤骨盤疾患の既往がないことなどの諸条件を満たした場合をUIとする.

2.免疫療法の前にHLA適合検査は必要か?

著者: 萩原政夫 ,   辻公美

ページ範囲:P.1440 - P.1442

 HLA抗原は,すべての免疫学的反応において,自己,非自己の識別に働くヒト主要組織適合抗原である.妊娠現象は,母体にとってみれば.Semi—allograft,すなわち自己と同一のHLAハプロタイプを1/2共有する妊卵,胎児や胎盤が生着するという現象であり,血液そのものの交流がない点は移植とは異なるものの,免疫学的な機序が多分に関わっていると考えられる.その最大の証拠としては,抗HLAアロ抗体が,妊婦血清から検出され,HLA抗原の血清学レベルでの判定に役だっていることが挙げられる.
 HLAは,約200種類近くの血清学レベルのタイプに分けられる.最近では,DNAタイピング法によってさらに多数のサブタイプに分けられる.1981年にTaylor1)は,原因不明の習慣性流産夫婦間で,HLA適合性が高いことを報告したが,それ以来今日まで,HLAと妊娠現象,とくに原発性不妊症,習慣性流産に関しては,さまざまな議論が行われてきた.いわゆる夫婦のHLA-sharing(共有性)が,妊娠の成立や維持に関与するとの報告1-3)は,初期の頃において目立っていたが,最近ではむしろ関与がないとの報告4-6)が相次いで主流となってきている.筆者らの東海大学においても,過去数年間にわたって,不妊症,習慣性流産夫婦のHLAタイピングを行い,出産既往のある夫婦をコントロールとした検討を行ってきた.

3.不育症に免疫療法はなぜ効くか,またその効果は?

著者: 牧野恒久

ページ範囲:P.1444 - P.1445

 不育症は自然流産,早産・正期産による胎児死亡,ならびに出生後1週間以内の新生児死亡を反復する症例と定義される.不育症の大部分は自然流産を反復する習慣流産で,その原因は多岐にわたる.一方,習慣流産の治療はおのおのの原因に対応した方法がとられるが,そのなかに母児間の免疫失調が流産原因とみられる群に対して,夫アロリンパ球の妻側への接種,いわゆる免疫療法が注目されて久しい1,2).しかしながら,その作用機序と臨床成績については諸家の間で必ずしも一致をみていない.

4.免疫療法の際,血液の放射線療法の必要性は?

著者: 萩原政夫 ,   辻公美

ページ範囲:P.1447 - P.1447

解答 原則的には血液の放射線療法は必要なし
 近年いわゆる輸血後移植片対宿主疾患(graft—versus-host disease:GVHD)が問題となっているが,これは術後患者など免疫抑制状態のある患者に輸血が行われた場合で,しかもHLAのホモ接合体からヘテロ接合体への組み合わせにおいて起こるので頻度は低い.しかしいったん発症した場合には重篤な症状を引き起こす1).妊娠期もある種の免疫抑制状態にあるが,術後患者などにはまったく及ばないレベルである.また,移入されるリンパ球総数は約2〜3×107/回であり,洗浄赤血球1バッグ当たりに含まれる数(1.4±0.9×108)にも及ばず,その点でもGVHD発症の可能性は少ない.
 放射線照射の直接の影響として,HLA抗原のみならずその他の細胞間接着因子の発現が有意に低下することが知られている2).また,夫リンパ球が母体内での動態(どれだけの期間,どれだけの細胞数が存在し続けるか)は未解明であるが,移植免疫学の立場からは,一定数のviableリンパ球が,一定期間存在し,ホスト免疫担当細胞への抗原提示を必要レベル行うことが,免疫抑制(寛容)誘導には不可欠であると考えられる.したがって,放射線照射リンパ球は,移入後体内で急速に死滅していくと考えられ,免疫療法の効果が明らかに減少すると考える.

5.自己抗体陽性患者に免疫療法は禁忌か?

著者: 萩原政夫 ,   辻公美

ページ範囲:P.1448 - P.1448

解答 必ずしも禁忌ではない
 妊娠に関して問題となる自己抗体には抗リン脂質抗体が第一に挙げられ,これを除いた抗核抗体などの陽性患者も存在し,習慣性流産全体の20%にみられることがある.
 前者については,確定診断の後には,相応の治療が第1選択であることは言うまでもなく,その詳細については他の執筆者にまかせるが,後者の群については,抗核抗体であるのかそれ以外の分画に対するものか,さらに妊娠維持に重要な凝固系の異常の有無などについても明らかにする必要性がある.原因が何らかの治療法によって対処し得るものであれば,これが最優先されるべきであることはもちろんであるが,ただ単に抗体陽性のみであって,不妊,流産への病態関与が不明な場合には,免疫療法は禁忌ではないと考える.

6.続発性習慣流産患者に免疫療法は効果があるのか?

著者: 牧野恒久

ページ範囲:P.1450 - P.1452

解答 否
 1度,2度と正常な出産を経験したあと,自然流産を反復する症例に「不育症に免疫療法はなぜ効くか,またその効果は?」の項(1444ページ参照)で述べたような夫アロリンパ球を用いた免疫療法が奏効するか否か興味深い.最初に結論を述べれば,答は否であり,場合によっては効果ありである.以下にその詳細をまとめてみた.

7.抗精子抗体の検査はどうするか?

著者: 柴原浩章

ページ範囲:P.1454 - P.1457

 “抗精子抗体”という言葉の範疇には,図1に示すように,複数存在する精子抗原に対する数多くの種類の抗体が含まれる.抗精子抗体を検出する方法を表1に示したが,不妊症の有無にかかわらず,これらの抗精子抗体は既婚女性の血清中に比較的高率に検出される.言い換えれば,精子膜上に存在する種々の抗原物質に対して,抗精子抗体を産生している女性はけっして少なくない.したがって不妊症の検査法としては,表2に示すような不妊症に直接関連性が強い抗精子抗体を測定しなければ,臨床的には意味がない.しかも不妊症の発症に関係する,例えば精子不動化抗体が女性の血清中に検出されると,図2に示す機序1-7)により難治性不妊症の原因となることが証明されており,初期検査の段階でこのような抗精子抗体の有無をスクリーニングし,陽性の場合には適切な方針に沿い治療を進めていく必要性がある.
 われわれの不妊外来では,受診患者全員に対して以下に述べる精子不動化試験を行っているので,本稿では女性側の精子不動化試験の実際について解説する.なお,これ以外の抗精子抗体検出法については,成書8)を参照されたい.

8.どのような患者に抗リン脂質抗体を測定するのか,ループスアンチコアグラントの測定法は?

著者: 安達知子

ページ範囲:P.1458 - P.1460

抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipidantibody syndrome:APS)とは
 抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibodies:APA)と血栓症との関係は,1963年にSLE患者に対しはじめて報告されたが,現在APAは,SLE合併の有無にかかわらず血栓症の大きなリスクファクターであると同時に,習慣流産(反復流死産)の発症要因の1つであることが知られている.APAによってこれらの病態が引き起こされやすいことから,APSの概念が生まれてきており,種々の診断基準の内容の検討と変更が行われ,1990年には表1に示すような診断基準1)となった.すなわち,臨床症状として,血栓症か習慣流産か血小板減少症の1つを示し,検査所見として,APAのうち,中〜高力価の抗カルジオリピン抗体(anticardiolipin antibodies:ACA),またはループスアンチコアグラント(lupus anticoa—gulant:LAC)のどちらか1つが,3か月以上離れた少なくとも2回の検査で陽性であることが必要である.
 しかし,いまだAPAの測定系は統一されておらず,病態と種々の測定法の評価が行われている現状である.また,反復流死産患者で低力価のACAを示す患者の取り扱いなどは検討課題であるため,APSの診断基準もさらに改変されていく必要があり,流動的であると考える.

9.抗リン脂質抗体症候群の治療法とそのタイミングは?

著者: 安達知子

ページ範囲:P.1462 - P.1463

 当科では.抗リン脂質抗体症候群(antiphos—pholipid antibody syndrome:APS)の診断基準を満たさない場合でも,抗リン脂質抗体(anti—phospholipid antibodies:APA)陽性の患者にはAPSに準じた治療を行っている.治療対象となる患者は,不妊不育症患者,妊娠中の患者,婦人科手術患者であり,APAの評価および既往の臨床症状と過去の治療歴により,治療開始時期や治療法を変えている.APAとしては,ループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant:LAC)およびELISA法による抗カルジオリピン抗体(anticar—diolipin antibodies:ACAIgG)の測定の他,β2glycoprotein 1(β2GPI)依存性ACAの定量を行い,β2GPI依存性ACA陽性の場合はintensiveに治療管理を行う.以下,それぞれの対象に分け,治療について解説する.

10.抗精子抗体陽性例の治療法は?

著者: 柴原浩章

ページ範囲:P.1464 - P.1467

 「抗精子抗体の検査はどうするか?」(1454ページ参照)で述べたように,抗精子抗体には多様性があるので,不妊症の有無にかかわらず,既婚女性のなかには抗精子抗体を保有している場合が少なくない.このなかで不妊症との関連性が強くて治療を要するのは,抗体が生物活性を示す場合,すなわち精子の運動能力や受精機能を障害する場合と考えてよい.
 したがって抗精子抗体の測定結果を検討する際,どの検出方法による結果であるのかが重要で,例えば精子への単なる結合だけを捉え,生物活性まで反映しない抗精子抗体をスクリーニングする方法(1454ページの表1を参照)で陽性と判定されているのであれば,引き続き精子不動化試験などを行う必要性がある.

体外受精

1.Poor responderに対する卵巣刺激法は?

著者: 齊藤英和 ,   伊藤真理子 ,   太田信彦

ページ範囲:P.1468 - P.1470

 体外受精—胚移植は,不妊症を治療していくには欠かせない治療法となっているが,種々の原因のうちでもこの治療法に抵抗する症例もあり,今後これら難治性の不妊症症例に対する治療法の検討がなされていかなければならない.とくに,男性因子に対する治療が卵細胞質精子注入法によって大きく改善した今,注目は卵巣刺激をしても多数の卵胞が発育しない,いわゆるpoor responderに移ってきている.本邦では卵子を他人に供与することは認められていないため,必然的にこの問題は大きなウエイトを占めることになる.ここではpoor responderの考え方について述べてみたい.

2.GnRHアゴニストの使用法はlong法,short法どちらがよいか?

著者: 齊藤英和 ,   高橋俊文 ,   斉藤隆和

ページ範囲:P.1472 - P.1474

 体外受精—胚移植法においては妊娠率を高めるために排卵誘発法の検討がよく行われている.体外受精—胚移植法では,たいがいの場合には自然排卵を有する婦人に排卵誘発を行うことが多く,多数の卵胞が発育するために,ホルモンの変化は自然周期とは大きく異なり,またこのホルモンが子宮内膜に及ぼす影響なども自然周期とかなり異なると考えられる.
 本稿においてはGnRHアゴニスト(GnRHa)を排卵誘発に用いるようになった背景やその使用方法の種類とそれぞれの利点・欠点について解説する.

3.過排卵刺激の際にOHSSを防ぐためにどのような黄体刺激法がよいか?

著者: 山崎淳 ,   山野修司 ,   青野敏博

ページ範囲:P.1475 - P.1477

 卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimula—tion syndrome:OHSS)は過排卵刺激に伴う最も重篤な合併症であり,代表的な医原性疾患である.体外受精—胚移植(in vitro fertilization andembryo transfer:IVF-ET)が不妊症の一般的な治療法として普及するにつれてゴナドトロピン製剤による過排卵刺激の機会が増加した.その結果,近年OHSSの発生数は増加し,過排卵刺激の約1%前後に重症例が発生し,本邦でも血栓症による死亡例が報告されるなど,重大な問題となりつつある.
 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syn—drome:PCOS)ではOHSSを発生しやすいため,以前よりさまざまな卵巣刺激法が開発されてきた.近年,桑原ら1)はFSH-GnRH律動投与療法を応用した単一卵胞排卵法を開発し,PCOS症例においてOHSSの発生頻度を減少させることに成功している.しかしIVF-ETでは成功率を維持するために複数個の成熟卵を得ることが必要であり,卵巣の軽度の腫大は必要悪として容認されている.したがって,IVF-ETの卵巣刺激を行う際は,①OHSSを起こしやすい患者を選択し,卵巣の腫大が過大にならないようにゴナドトロピンの投与量や方法を変更する,②卵巣の腫大がみられたら重症化を防ぐ,などふたつの対策を講じる必要がある.

4.男性不妊症の精液所見と選択すべきARTのメドは?

著者: 福田勝

ページ範囲:P.1478 - P.1479

 従来から男性不妊症の診断は精液検査法で行われている.WHOによる正常精液所見(表)を評価の基準にするのが一般的である.精子濃度が20×106/ml未満のものを乏精子症,精子運動率が50%未満のものを精子無力症,形態正常精子が50%未満のものを奇形精子症と判断する,精液所見がたとえ正常であってもなかなか妊娠しないことや,精液所見が基準以下であっても自然妊娠することはよく経験され,精液検査の結果だけで男性因子を評価するのは難しく,ハムスターテストなどの精子機能検査を併用するのが理想である.しかし本稿ではあえて一般精液検査による精液所見により選択すべきART (assisted reproduc—tive technology)について考察する.
 図は筆者の成績と文献によりまとめたものである.精液所見とAIH(artificial insemination withhusband�s semen,配偶者間人工授精)妊娠率の成績1)より,精子濃度が5×106/ml未満になると妊娠率が極端に低くなる.精子運動率が30%未満では妊娠例がほとんど認められなくなることより,精子濃度が5×106/mlの場合,精子運動率が30%未満の場合はIVF-ET(in vitro fertilization andembryo transfer,体外受精—胚移植法)を選択したほうがよい.

5.体外受精は何歳まで可能か?

著者: 佐藤孝道

ページ範囲:P.1480 - P.1485

 体外受精の実施年齢には,一般に共通するような何歳までという限界があるわけではない.これは,個々に卵巣機能の低下が異なっているため当然のことである.
 卵巣機能が完全に低下した状態は閉経であり,閉経は卵胞の消失を意味している.したがって,たとえ40歳以下の若年者であっても閉経をしてしまえば,少なくとも自己の卵を用いた体外受精は不可能である.提供された卵の移植による妊娠は,理論的にも実際的にも何歳になっても,また閉経か否かに関係なく可能であるが,わが国では行われていない.

6.凍結融解胚の移植は自然周期がよいか,人工周期がよいか?

著者: 神谷博文 ,   森若治 ,   東口篤司 ,   高階俊光 ,   田中恵美

ページ範囲:P.1486 - P.1489

 体外受精での余剰胚の凍結融解胚移植は自然周期に行われていたが,人工周期,つまりあらかじめエストロゲン・プロゲステロンを補充することにより着床環境をつくるホルモン補充周期に行われはじめている1)

7.採卵日固定法の実際とその成績は?

著者: 久保春海 ,   安部裕司

ページ範囲:P.1490 - P.1492

 近年,assisted reproductive technology(ART)として生殖医学が臨床不妊の場に導入されるようになってきた.体外受精—胚移植(IVF—ET)がARTの端緒として開始されて18年が経過し,一般的なART技術をよりいっそう簡略化して,広くこの技術を不妊治療に応用していこうとする傾向にある.こうした簡略化の流れはARTにおける卵巣刺激法(COH)においても,すでに1980年代中頃にピルを用いた人工的性周期によるCOHのプログラミングを試みた報告がみられる1,2)
 近年,COHにGnRHアナログ(GnRHa)の併用法が発表されて以来3),ART周期の80%以上でGnRHa-hMG併用法が行われている.しかし症例ごとの個別化卵巣刺激法では毎日の通院,注射,採血,超音波による卵胞モニタリングなど患者の経済的,時間的負担や,数日前まで採卵日が未定なことによる患者の夫に対する社会生活の制約など計り知れないものがある.また医療サイドにも連日のモニタリングのための診療負担の増加,突然の採卵日決定によって,他の予定医療スケジュールとの兼ね合いが生じる人的,物理的混乱がARTを実施するうえで,大きな障害となっている。このような観点から通院期間を短縮し,採卵日,移植日を数週間前にプログラミングすることが可能となれば,ARTはemergencyとしてではなく,electiveに余裕をもって実施することができよう.

8.外来体外受精のピットフォールは?

著者: 井上正人

ページ範囲:P.1494 - P.1495

 経腟超音波採卵法の開発により,入院を必要とする腹腔鏡下採卵はもはや過去のものになった.またGnRHアナローグを加味した卵巣刺激法により,卵胞発育のモニタリングも大幅に簡素化された.premature LH surgeの心配はなくなり,入院して経時的にLHを測定する必要もなくなった.HMGの注射開始日を調節することにより,休日を避けて採卵することも,採卵日をあらかじめ設定することも十分可能である.体外受精は名実ともに外来レベルでの診療になったといえよう1)
 しかし,外来体外受精にも問題がないわけではない.症例によっては卵巣の位置が悪く,肝心の経腟採卵ができない場合がある.また安全性の面でも,血管損傷による出血,腸管損傷,感染などの合併症をつねに念頭に置き,その予防に細心の注意を払わなければならない.

9.胚移植の数と妊娠率,多胎率の関係は?

著者: 中山貴弘 ,   藤原浩 ,   森崇英

ページ範囲:P.1496 - P.1497

 IVF-ETにおいて胚移植数と妊娠率および多胎率との関係を検討した報告は多数認められるが,妊娠率および多胎率には,その他にも患者年齢,不妊期間,既往IVF-ET回数,移植胚の形態など多因子が関与していることが推定され,その結果の解釈には注意を要する.以下にIVF-ETにおいて妊娠率および多胎率に影響を及ぼしている因子について述べる.

10.着床率を向上させる工夫は?

著者: 藤原浩 ,   中山貴弘 ,   森崇英

ページ範囲:P.1498 - P.1501

 近年ヒト体外受精—胚移植法が普及するにつれ,いわゆる形質良好胚を移植したにもかかわらず着床が成立しない症例が多数見受けられ臨床的に問題となっている.現在その原因として胚の発生不全のみならず,子宮内膜の分化不全が想定されるようになってきた.
 胚においては現在使用されている形態変化からの評価のみならず,着床能を含めた正確な胚の機能評価基準やそのパラメーターが必要とされており,着床率をあげるための胚培養法改善も検討されている.また子宮内膜についても着床機構にかかわる内膜分化の機構に注目し,その異常の評価や制御法などが検討されつつある.

連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・11

腎臓と性腺の分化

著者: 塩田浩平

ページ範囲:P.1359 - P.1361

 泌尿器系と生殖器系は機能的に全く異なる器官系であるが,初期発生においては両者が密接に関連し合って発生する.胎生第4週初め,頸部に近い高さの中間中胚葉に腎節nephrotomeとよばれる細胞集団が発生し,そこで糸球体glomerulusと腎細管nephric tubuleが形成される.各糸球体は背側大動脈の枝である毛細血管によって作られ,ボウマン嚢につながる腎細管の遠位部が縦につながって中腎管(ウォルフ管)mesonephricduct(Wolffian duct)ができる.中腎管は第4週終わりまでに排泄腔cloacaへ開口する.
 下等動物では頭方の前腎pronephrosから胸腹部の中腎mesonephrosへと順に形成が進むが,ヒトでは前腎は痕跡的に出現するにすぎない.中腎細管のほとんどと中腎の糸球体も胎生2か月末までに消失するが,中腎管と,それに隣接して体腔上皮の陥入によってできる中腎傍管(ミューラー管)paramesonephric duct(Müllerian duct)が残り,これらから男女生殖管の主要部分ができる.

産科外来超音波診断・18

Nuchal Translucency

著者: 清水卓 ,   伊原由幸

ページ範囲:P.1503 - P.1508

 近年の超音波診断の発展は,多くの胎児異常の発見に寄与してきた.とくに,染色体異常の診断領域での進歩は著しく,逆にあまりにも多い情報量のために,われわれ産科医自身が困惑していることも事実である.
 本稿では,日常臨床のなかで,われわれがしばしば正常か異常かで苦慮する超音波診断所見のうちの1つで,最近トピックとなっているnuchaltranslucency(NT)を紹介させていただきたい.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

76巻12号(2022年12月発行)

今月の臨床 帝王切開分娩のすべて―この1冊でわかるNew Normal Standard

76巻11号(2022年11月発行)

今月の臨床 生殖医療の安全性―どんなリスクと留意点があるのか?

76巻10号(2022年10月発行)

今月の臨床 女性医学から読み解くメタボリック症候群―専門医のための必須知識

76巻9号(2022年9月発行)

今月の臨床 胎児発育のすべて―FGRから巨大児まで

76巻8号(2022年8月発行)

今月の臨床 HPVワクチン勧奨再開―いま知りたいことのすべて

76巻7号(2022年7月発行)

今月の臨床 子宮内膜症の最新知識―この1冊で重要ポイントを網羅する

76巻6号(2022年6月発行)

今月の臨床 生殖医療・周産期にかかわる法と倫理―親子関係・医療制度・虐待をめぐって

76巻5号(2022年5月発行)

今月の臨床 妊娠時の栄養とマイナートラブル豆知識―妊娠生活を快適に過ごすアドバイス

76巻4号(2022年4月発行)

増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系

76巻3号(2022年4月発行)

今月の臨床 がん遺伝子検査に基づく婦人科がん治療―最前線のレジメン選択法を理解する

76巻2号(2022年3月発行)

今月の臨床 妊娠初期の経過異常とその対処―流産・異所性妊娠・絨毛性疾患の診断と治療

76巻1号(2022年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて

75巻12号(2021年12月発行)

今月の臨床 プレコンセプションケアにどう取り組むか―いつ,誰に,何をする?

75巻11号(2021年11月発行)

今月の臨床 月経異常に対するホルモン療法を極める!―最新エビデンスと処方の実際

75巻10号(2021年10月発行)

今月の臨床 産科手術を極める(Ⅱ)―分娩時・産褥期の処置・手術

75巻9号(2021年9月発行)

今月の臨床 産科手術を極める(Ⅰ)―妊娠中の処置・手術

75巻8号(2021年8月発行)

今月の臨床 エキスパートに聞く 耐性菌と院内感染―産婦人科医に必要な基礎知識

75巻7号(2021年7月発行)

今月の臨床 専攻医必携! 術中・術後トラブル対処法―予期せぬ合併症で慌てないために

75巻6号(2021年6月発行)

今月の臨床 大規模災害時の周産期医療―災害に負けない準備と対応

75巻5号(2021年5月発行)

今月の臨床 頸管熟化と子宮収縮の徹底理解!―安全な分娩誘発・計画分娩のために

75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

icon up
あなたは医療従事者ですか?