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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい

排卵誘発

4.hMG-hCG療法で,OHSSと多胎妊娠についてのインフォームドコンセントのとり方は?

著者: 齊藤英和1 中原健次1 広井正彦1

所属機関: 1山形大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1370 - P.1371

文献概要

 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)・多胎妊娠は,通常何もしなければ発症しない病態である.この発症のためにはなんらかの排卵誘発法が行われている.排卵誘発法は自然では排卵が起こらない症例に対して卵胞発育を促し受精可能な卵を排卵させる方法である.しかし最近では排卵があっても妊娠しない症例で通常の検査ではどこにも不妊原因が見あたらない症例に対しても排卵誘発を行い妊孕性を高める方法がある.いずれにおいても排卵誘発を行えば通常多数の卵胞が発育してくる.このことが卵巣の腫大や血中のエストラジオールの高値を引き起こし,OHSSの症状を引き起こすことになる.またこれら多数の卵胞より多数の卵が排卵することにより,多数の卵が受精・着床し多胎妊娠を生じる.
 本邦では昔から治療に関しては医師に一任するという傾向が強いが,アメリカ病院協会の「患者の権利章典に関するアメリカ病院法協会宣言」や本邦での改正医療法附則第2条の「医療側の適切な説明と受療者への理解の配慮について検討,その結果に基づく必要な措置を講ずる」の発表以来,インフォームドコンセントの概念は広く一般の人にも理解されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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