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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 排卵誘発

5.OHSSの重症度の判定と治療法は?

著者: 荒木重雄1 佐山雅昭1

所属機関: 1自治医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1372 - P.1375

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 OHSSはその重症度あるいは病期により適した治療法が異なるため,その正しい病態の評価が重要である.また,最近問題となっている重篤な合併症の発症を未然に防ぐためにも,状況を正確に把握することが必要である.重症度を誤って評価し,不適切な処置を行えば,危機的な状態を惹起しかねない.
 これらの認識のうえに立ってOHSSにどのように対処するかが問題になる.臨床検査所見の異常の改善を直ちに目指すべきか,血液濃縮や乏尿を生体の防御機構の一端ととらえ,合併症の発現を回避しながら病期の改善を待つべきかはいまだ一致した見解に達していない1,2).筆者は多数の自験例から後者を妥当と考えている3).本稿においては,OHSSの対処法の基本は,水分制限・アルブミン補充療法であるという,筆者の考えを中心に述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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