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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 排卵誘発

7.卵胞成熟後のhCG投与のタイミングは,投与量は?

著者: 安藤一道1 劉暁偉1 伊吹令人1

所属機関: 1群馬大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1379 - P.1379

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hCG投与のタイミング
 排卵誘発においてhCGを投与する目的は,内因性のLH/FSHサージが起こらない症例に対して外因性のLHサージを起こし,卵の成熟と卵胞破裂を引き起こすことである.hCG投与のタイミングを決定するためには,卵胞発育をモニターし卵胞の成熟を判断する必要があり,卵胞成熟が認められない時点でhCG投与を行うと卵胞の閉鎖化が起こり排卵に至らない.
 卵胞成熟の指標としては,頸管粘液検査や尿中エストロゲン(E)測定,血中エストラジオール(E2)測定,経腟超音波診断などが利用可能であるが,今日,臨床的にはその簡便性から経腟超音波断層法による卵胞径の測定が頻用されている.ゴナドトロピン療法による過排卵刺激においては,平均卵胞径が17mm以上では16mm以下に比べ有意に排卵率が高いことから,17mm以上の卵胞ではhCGにより卵胞の破裂が起こりやすい(表)1).ただし小卵胞(10〜14mm)から採卵された卵子の受精率(76%)と20mm以上の卵胞の受精率(96%)に有意差がないことから,卵胞径から判断した卵胞成熟と卵の成熟とは必ずしも一致しない2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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