icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい

排卵誘発

10.プロラクチノーマの治療は手術か,ブロモクリプチン療法か?

著者: 小池浩司1

所属機関: 1大阪逓信病院産婦人科

ページ範囲:P.1388 - P.1390

文献概要

 近年,月経異常や不妊婦人に対する,血中プロラクチン(PRL)値の測定のルーチン化やCTスキャン,MRIなどの画像診断の普及にともなって,プロラクチノーマ(プロラクチン産生下垂体腫瘍)が直経1cm未満の微小腺腫(マイクロアデノーマ)の段階で容易に発見されるようになった.
 現在,プロラクチノーマの治療法としては,手術療法としての経蝶形骨洞手術(Hardy手術)と薬物療法としてのブロモクリプチン療法が広く用いられている.しかし,本疾患が手術療法により必ずしも完治しうるとはかぎらないこと,プロラクチノーマ婦人は不妊を主訴とすることが多いこと,またプロモクリプチンにプロラクチノーマを縮小させる作用があることなどから,腫瘍の大きさや患者の主訴により手術療法とブロモクリプチン療法をそれぞれ使い分けるようになってきた.しかしどちらを優先するのかといった治療方針に関しては,施設,並びに脳外科医や産婦人科医によっても若干異なり,一定の見解が得られていないのが現状である.そこで本稿では産婦人科医の立場からプロラクチノーマの治療方針に関しての考えを示したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら