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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 子宮内膜症

1.軽度の子宮内膜症はなぜ不妊の原因になるか?

著者: 多賀理吉1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1398 - P.1399

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軽度子宮内膜症と不妊
 通常の検査で原因が明らかではない,いわゆる機能性不妊症患者の腹腔鏡検査で,内診などでは捉えられない軽度の子宮内膜症が見いだされることが多い.このことからも,軽度の子宮内膜症が不妊の原因の1つとして重要であることがわかるが,本症でなぜ不妊となるのか,そのメカニズムに関しては不明の点が少なくない.これは,子宮内膜症それ自体の発生機序についてもいまだ十分解明されていないことにもよるのであろう.
 子宮内膜症により卵巣や卵管あるいは子宮の周囲が癒着したり,frozen pelvisのように病変が広範囲に進展したstageでは,卵のpick upや卵・精子の輸送が障害されるために妊孕性が妨げられているということは容易に想像される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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