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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい

子宮内膜症

3.子宮内膜症に対するGnRHアゴニストとダナゾールの使い分けは?

著者: 斎藤理恵1 岩下光利1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1401 - P.1401

文献概要

 子宮内膜症の薬物療法に用いられているダナゾールとGnRHアゴニストの治療成績と効果に関しては多くの報告があるが,優劣つけがたいのが現状である.したがって投与を考える場合はその作用機序と副作用の違いから薬剤を選択するのが妥当と思われる(表).
 GnRHアゴニストは,天然のGnRHの50倍以上高い受容体への親和性を持ち,GnRH受容体のdown regulationを起こし,下垂体からのゴナドトロピンの分泌を低下させる.その中枢作用により卵巣からのエストロゲン分泌を抑制し,子宮内膜症組織を萎縮させる.ダナゾールの作用機序は多岐にわたっており,中枢性のLHサージの抑制や卵巣でのステロイド産生の抑制,子宮内膜症組織の増殖に対する直接抑制作用などさまざまである.また,子宮内膜症の発生機序には免疫異常の関与も示唆されているが,ダナゾールは子宮内膜症にみられる免疫異常を改善することも報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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