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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 男性不妊

2.AIHの際の精子の処理は妊娠を高めるか?

著者: 見尾保幸1

所属機関: 1ミオ・ファティリティ・クリニック

ページ範囲:P.1408 - P.1409

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解答 イエス(高める)
 男性不妊に対する配偶者間人工授精(AIH)の安全な実施と妊娠成立を左右する因子は,①精子濃度の改善,②運動良好精子の回収,③精漿および血球成分の除去,と考えられる.従来は,これらの因子をクリアできる適当な精子処理法がなく,長らく原精液を直接子宮内に注入する方法が用いられていた。当然のことながら,この方法では,治療的意義に関する評価よりも,感染,アナフィラキシー,子宮収縮などの副作用に強い関心が寄せられ,その実施は制限されていた.AIHが男性不妊に対する第一選択の治療法として積極的に評価されるに至った経緯は,体外受精(in vitrofertilization:IVF)のための精子調整に開発されたいくつかの精子処理法が全面的に応用され,上記の因子を容易にクリアできる状況になったからである.以下に,男性不妊に対するAIHの際の精子処理法とその治療成績について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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