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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

文献概要

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい 免疫性不妊

2.免疫療法の前にHLA適合検査は必要か?

著者: 萩原政夫12 辻公美1

所属機関: 1東海大学医学部移植免疫学 2東海大学医学部細胞移植医療センター移植免疫

ページ範囲:P.1440 - P.1442

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 HLA抗原は,すべての免疫学的反応において,自己,非自己の識別に働くヒト主要組織適合抗原である.妊娠現象は,母体にとってみれば.Semi—allograft,すなわち自己と同一のHLAハプロタイプを1/2共有する妊卵,胎児や胎盤が生着するという現象であり,血液そのものの交流がない点は移植とは異なるものの,免疫学的な機序が多分に関わっていると考えられる.その最大の証拠としては,抗HLAアロ抗体が,妊婦血清から検出され,HLA抗原の血清学レベルでの判定に役だっていることが挙げられる.
 HLAは,約200種類近くの血清学レベルのタイプに分けられる.最近では,DNAタイピング法によってさらに多数のサブタイプに分けられる.1981年にTaylor1)は,原因不明の習慣性流産夫婦間で,HLA適合性が高いことを報告したが,それ以来今日まで,HLAと妊娠現象,とくに原発性不妊症,習慣性流産に関しては,さまざまな議論が行われてきた.いわゆる夫婦のHLA-sharing(共有性)が,妊娠の成立や維持に関与するとの報告1-3)は,初期の頃において目立っていたが,最近ではむしろ関与がないとの報告4-6)が相次いで主流となってきている.筆者らの東海大学においても,過去数年間にわたって,不妊症,習慣性流産夫婦のHLAタイピングを行い,出産既往のある夫婦をコントロールとした検討を行ってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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