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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい

免疫性不妊

5.自己抗体陽性患者に免疫療法は禁忌か?

著者: 萩原政夫12 辻公美1

所属機関: 1東海大学医学部移植免疫学 2東海大学医学部細胞移植医療センター移植免疫

ページ範囲:P.1448 - P.1448

文献概要

解答 必ずしも禁忌ではない
 妊娠に関して問題となる自己抗体には抗リン脂質抗体が第一に挙げられ,これを除いた抗核抗体などの陽性患者も存在し,習慣性流産全体の20%にみられることがある.
 前者については,確定診断の後には,相応の治療が第1選択であることは言うまでもなく,その詳細については他の執筆者にまかせるが,後者の群については,抗核抗体であるのかそれ以外の分画に対するものか,さらに妊娠維持に重要な凝固系の異常の有無などについても明らかにする必要性がある.原因が何らかの治療法によって対処し得るものであれば,これが最優先されるべきであることはもちろんであるが,ただ単に抗体陽性のみであって,不妊,流産への病態関与が不明な場合には,免疫療法は禁忌ではないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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