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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻11号

1996年11月発行

今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい

免疫性不妊

7.抗精子抗体の検査はどうするか?

著者: 柴原浩章1

所属機関: 1兵庫医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.1454 - P.1457

文献概要

 “抗精子抗体”という言葉の範疇には,図1に示すように,複数存在する精子抗原に対する数多くの種類の抗体が含まれる.抗精子抗体を検出する方法を表1に示したが,不妊症の有無にかかわらず,これらの抗精子抗体は既婚女性の血清中に比較的高率に検出される.言い換えれば,精子膜上に存在する種々の抗原物質に対して,抗精子抗体を産生している女性はけっして少なくない.したがって不妊症の検査法としては,表2に示すような不妊症に直接関連性が強い抗精子抗体を測定しなければ,臨床的には意味がない.しかも不妊症の発症に関係する,例えば精子不動化抗体が女性の血清中に検出されると,図2に示す機序1-7)により難治性不妊症の原因となることが証明されており,初期検査の段階でこのような抗精子抗体の有無をスクリーニングし,陽性の場合には適切な方針に沿い治療を進めていく必要性がある.
 われわれの不妊外来では,受診患者全員に対して以下に述べる精子不動化試験を行っているので,本稿では女性側の精子不動化試験の実際について解説する.なお,これ以外の抗精子抗体検出法については,成書8)を参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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