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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻12号

1996年12月発行

文献概要

連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・12

皮膚と歯の発生

著者: 塩田浩平12

所属機関: 1京都大学医学研究科生体構造医学講座(形態形成機構学) 2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター

ページ範囲:P.1515 - P.1517

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 皮膚を構成する組織のうち,表皮epidermisは皮膚外胚葉surface ectodermから,真皮dermisはその深部の間葉からできる.胎芽の体表は,はじめ単層の立方上皮で覆われており,7週頃に単層扁平上皮である周皮peridermがその表層に形成される(図1)が,周皮は20週頃から徐々に消失していく.基底層の細胞の増殖によって11週頃までに表皮が重層化し,基底層(胚芽層)と周皮の間に中間層が形成される.皮膚の固有上皮層(基底層と中間層)は,4か月末までに,胚芽層ger—minal layer,有棘層spinous layer,顆粒層granu—lar layer,角質層horny layerの4層に分化する.真皮を作る間葉は,側板中胚葉の壁側板または体節から分化した皮板dermatomeに由来する.
 表皮胚芽層の細胞が真皮に向かって充実性に進入し,毛の原基である毛芽hair budを形成する(図2).毛芽の先端が球状に膨らんで毛球hairbulbとなり,そのすぐ深層の凝集した間葉が毛乳頭hair papillaとなって,ここに血管と神経終末が進入する(図3,4).毛幹を取り囲む毛芽の細胞が上皮性根鞘epithelial root sheathに,その周囲を取り巻く間葉が結合組織性(真皮性)根鞘connective tissue(dermal) root sheathに分化する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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