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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻2号

1996年02月発行

連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・2

胚盤の分化と神経管の形成

著者: 塩田浩平12 上部千賀子2

所属機関: 1京都大学医学研究科生体構造医学講座(形態形成機構学) 2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター

ページ範囲:P.125 - P.127

文献概要

 第3週後半から第4週にかけて胚盤embryonicdiscの分化が進む.胚盤は,はじめ外胚板(外胚葉ectoderm)と内胚板(内胚葉endoderm)の2層から成っているが,受精後15日頃,胚盤の尾方正中部に原始線条primitive streakが現われ,その正中線上の凹みである原始溝primitive grooveから深部へ落ち込んだ細胞は,外胚葉と内胚葉の間で,第三の胚葉である胚内中胚葉intraembryonic mesodermに分化する.
 原始線条の頭方端はわずかに肥厚して,原始結節primitive node(ヘンゼン結節Hen—sen�s node)を作る.原始結節基部の凹み(原始窩primitive pit)からは,やはり外胚葉と内胚葉の間で,頭方へ向かって細胞が索状に伸びていく.これを脊索突起notochordalprocessとよぶ.原始線条から生じた中胚葉細胞は,増殖しながら外胚葉と内胚葉の間を頭方へ向かって拡がり,ここに3層性の胚盤ができる.脊索突起の両側の沿軸中胚葉parax—ial mesodermが分節状に凝集して体節somiteを形成する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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