文献詳細
連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・3
器官形成期
著者: 塩田浩平12 上部千賀子2
所属機関: 1京都大学医学研究科生体構造医学講座(形態形成機構学) 2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター
ページ範囲:P.235 - P.237
文献概要
第4週中頃には頸部側面に鰓弓が現われ,その週の後半には,体表から4対の鰓弓が認められる.第4週後半から第5週にかけて,上下肢の原基(上肢芽upper limb budsと下肢芽lower limb buds)が出現する.第5週以降,心隆起cardiac promi—nenceと肝の膨大が著明となり,また,脳胞が発達して頭部の大きさが増してくる.第6〜7週には,網膜に色素上皮が発現し,第1鰓弓と第2鰓弓によって外耳が形成される(図3).上下肢ともに長さを増して,指,肘,膝が明瞭になる.手と足では,指間陥凹が深くなり指が分離する.第8週終わりまでに主要な器官形成organogenesisが行われ,ヒトとしての外形がほぼできあがる(図4).
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