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連載 産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン—私のノウハウ
分娩直後の子宮破裂の診断
著者: 杉本充弘1
所属機関: 1日赤医療センター
ページ範囲:P.320 - P.320
文献購入ページに移動 子宮破裂は,頻度はまれであるが,その診断と処置の遅れが母体死亡に結びつく可能性のある疾患である.帝切既往例,鉗子・吸引分娩例などリスクの予測される場合が多いが,分娩後の外出血が多い症例,腹腔内出血が疑われる症例では,つねに子宮破裂を念頭において出血原因の究明をすることがたいせつである.
子宮破裂の位置と程度により出血状態は異なり,臨床所見にも違いが生じる.分娩中に子宮が破裂し,異常出血,下腹痛,胎児心拍数の変動,母体ショックなどの臨床所見から帝王切開となる場合は,開腹時に破裂状態が確認される.しかし,経腟的に児が娩出された場合は,無症候から母体ショックまで臨床所見が多様であるため,子宮破裂の診断に時間を要し,母体の生命を危うくすることも少なくない.そこで経腟分娩後の子宮破裂の診断を迅速かつ正確に行うことが求められる.
子宮破裂の位置と程度により出血状態は異なり,臨床所見にも違いが生じる.分娩中に子宮が破裂し,異常出血,下腹痛,胎児心拍数の変動,母体ショックなどの臨床所見から帝王切開となる場合は,開腹時に破裂状態が確認される.しかし,経腟的に児が娩出された場合は,無症候から母体ショックまで臨床所見が多様であるため,子宮破裂の診断に時間を要し,母体の生命を危うくすることも少なくない.そこで経腟分娩後の子宮破裂の診断を迅速かつ正確に行うことが求められる.
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