文献詳細
連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
文献概要
われわれは,1968(昭和43)年頃より子宮肥大を有し,不正性器出血を主訴として来院した患者に積極的に子宮腔からの吸引細胞診と同一検体によるcell blockを作成し,組織診を実施してきた.しかし,これらの方法では,やはり一掻き掻爬の域を出なかった.多くの研究者が言うまでもなく,子宮体癌の診断には,子宮頸管を拡張し,子宮腔内の全面掻爬,いわゆるD&C(cervical dilata—tion and uterine curettage)を施行し,それによって採取された検体で診断することが原則であるが,これらの方法を外来診察時に,上記所見のあるすべての患者に実施することについては種々問題がある.そこで当科(国立仙台病院産婦人科)における過去20年間の子宮体癌患者の臨床統計から得られたデータより,正診率の高いscreen—ing法とは,どのような方法か,また病理医より判定覧に記載されているQNS(Quantity is notsufficient for histological examination)をいかにしたら減少させ得ることができるかについて,以下の項目を目標に検討を加えてみた.
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