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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻4号

1996年04月発行

今月の臨床 産婦人科エコー診断—撮り方,読み方のこつとポイント

トピックス

2.超音波所見と染色体異常

著者: 岡田節男1 鈴森薫1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.580 - P.583

文献概要

 近年,胎児の形態異常は超音波断層法により妊娠のより早期に,また正確に診断が可能となっている.形態異常が胎児に認められた場合,胎児および母体に対し施行された他の検査結果を総合評価し,胎児の予後の推定や胎児治療適否の判断などが行われる.一方,形態異常もしくは先天奇形は染色体異常症における一般的な症状である.実際に,超音波検査で形態異常を認めた胎児における染色体異常頻度についての報告では,その頻度が13〜18.6%であったとされている1-3).ある種の染色体異常症の予後は不良であるため,形態異常胎児における染色体異常の有無は,その後の妊娠管理上,重要な情報となる.
 また,染色体異常(主に常染色体トリソミー)を有する胎児は発生初期からさまざまな形態異常や機能異常を伴うため,高頻度で自然流産や胎内死亡に至り,また出生した場合にもさまざまな障害を持つことが多い.これらの検出のため従来,出生頻度の高い高齢妊婦に対し羊水検査などが行われているが,最近では,母体血清マーカーや超音波検査による妊娠早期のスクリーニングが検討されている.本稿では超音波検査による染色体異常のスクリーニングおよび代表的な染色体異常の超音波所見について示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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