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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻5号

1996年05月発行

今月の臨床 習慣流産をとめる

病因を探る

5.自己免疫疾患

著者: 安達知子1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科

ページ範囲:P.648 - P.650

文献概要

 習慣流産患者で抗核抗体(antinuclear anti—body:ANA)が陽性であるのをしばしば経験するが,自己免疫疾患の臨床症状のないものも多く,また,ANAのみが陽性であるもの,他の自己抗体も同時に陽性であるものなどがあり,ANA自体が妊娠維持を妨げるかいなかについては賛否両論の意見が報告されている.
 一方,SLEは,ANAをはじめとする多種多様な自己抗体を有し,以前より流死産を反復しやすいことが知られている.現在では,SLEによる反復流死産の原因は,自己免疫疾患の活動性とは別のもので,ループスアンチコアグラント(LAC)とよばれる抗リン脂質抗体(antiphospholipidantibody:APA)によって生じることが明らかにされている.しかし,APAによる流死産発症機序についてはいくつもの説があり,いまだ解明されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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