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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻5号

1996年05月発行

今月の臨床 習慣流産をとめる

病因をめぐるControversy

3.子宮収縮抑制剤の予防的投与の是非

著者: 杉本充弘1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター産婦人科

ページ範囲:P.682 - P.686

文献概要

 習慣流産患者が妊娠した場合,胎児心拍動が確認されたのちにも流産の頻度は高く,切迫流産の管理を必要とする例が多い.また早産率も高く,切迫早産の管理を必要とする例はさらに高率である1).一方,習慣流産の病因は多因子であり,また病因が特定できないことも多い.その場合,切迫流産の治療は対症的なものにならざるをえない.また子宮奇形など病因が特定されている場合でも,妊娠12週以後の後期切迫流産は子宮収縮に伴う下腹痛,下腹部緊満感,腰痛,子宮出血を症状とすることが多い.したがって後期切迫流産の治療に子宮収縮抑制剤が投与されることが多く,子宮収縮抑制剤の有用性の報告1-3)もみられる.
 しかしながら,後期切迫流産から切迫早産に継続する病態の管理はいまだ不明確な部分があり,子宮収縮抑制剤についてもその使用法と効果,副作用が十分理解され使用されているとは思われない.そこで,まず現在比較的よく使用されている子宮収縮抑制剤の副作用と有用性を考察したうえで,習慣流産患者に子宮収縮抑制剤を予防的に投与することの是非について検討を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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