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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻7号

1996年07月発行

今月の臨床 乳房—管理のポイント

乳汁分泌

1.Overview—乳汁分泌の内分泌的調節機序

著者: 武谷雄二1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.876 - P.880

文献概要

 乳房は広い意味で生殖reproductionにかかわる器官であり,一連の生殖サイクルは排卵,受精,妊娠,分娩と順次経過し,乳汁分泌が,最終的なステップとなる.乳房は思春期に一致して発育を開始しその後しばらく静止状態にあるが妊娠成立を契機に発育が再開する.妊娠により乳腺は形態的にも機能的にも著しい変化を遂げるが,これらの変化はすべて産褥期における十分な乳汁分泌が得られるための準備状態といえる.分娩を終了すると数日して乳汁分泌が発来する.乳腺の発育と乳汁分泌において特筆すべきことはいずれももっぱら内分泌的に制御されているということである.しかも母体に生ずる内分泌的変化は胎児や新生児によりもたらされているものであり,いわば児が母体に働きかけて母体の内分泌環境を変えて乳汁分泌を自らのために発来せしめるものである.本稿では乳汁分泌における内分泌的制御のしくみについて解説を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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