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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻8号

1996年08月発行

連載 産婦人科クリニカルテクニック

ワンポイントレッスン—私のノウハウ

腟上端仙棘靱帯固定専用デシャンの作製

著者: 島野敏司1 小前由雄1

所属機関: 1小樽協会病院産婦人科

ページ範囲:P.1078 - P.1078

文献概要

 子宮脱手術において,腟式子宮全摘除術,前後腟壁形成術,肛門挙筋縫合術のみでは6〜10%の再発の報告がみられる1).これを防止するために,本邦においては1986年永田らが腟上端仙棘靱帯固定術の報告を行い2),この術式が一般臨床医にも徐々に普及してきている.我々も1991年より腟上端仙棘靱帯固定術を導入してきた3).この術式で最も難渋するのは,仙棘靱帯に固定用の糸をかけることにあると考えている.その理由は仙棘靱帯が非常に奥深くに存在すること,仙棘靱帯の走行が左上側から右下側になっているためである.すなわち動脈瘤デシャンでは,そのグリップが時計の10時方向になってしまうこと,また柄が短いので,ときに術者の指が患者の右外陰にふれ自由な操作を妨げてしまうことになる.そこで我々はデシャンの柄の長さを10cmから12cmに延長し,デシャンの彎曲部分と柄がつくる角度を110度から約125度に広くし,彎曲部分の長さ(帰り)をより長くした腟上端仙棘靱帯固定専用デシャン(図1)をパルメディカル社に依頼し作製した.数例使用してみた(図2)が,非常に重宝しているので,一度試されてみることをお勧めする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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