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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科50巻8号

1996年08月発行

症例

エストロゲン製剤服用後急性膵炎を起こした高トリグリセライド血症の1例

著者: 古川誠志1 斉藤仲道1 丸山義隆1 小田東太2

所属機関: 1大分市医師会立アルメイダ病院産婦人科 2大分市医師会立アルメイダ病院消化器内科

ページ範囲:P.1091 - P.1094

文献概要

 薬剤性膵炎のなかでエストロゲン製剤の占める割合は約5%であり,また高脂血症が膵炎に合併する頻度は4〜53%と報告されている.なかでもIV型高脂血症の患者にエストロゲン製剤投与後に急性膵炎を発症している報告が多い1).近年トリグリセライドと凝固線溶系,動脈硬化との関係やエストロゲン投与がもたらす血清脂質変化が明らかにされた.本症例は高トリグリセライド血症の患者に起きたエストロゲン誘発性急性膵炎であるが,エストロゲン,高トリグリセライド血症.膵炎の関係を考えるうえで興味ある症例と思われた.また本例を通じて,エストロゲン製剤を多用する産婦人科領域でもその適切な使用と代謝に及ぼす影響についての調査の必要性を感じた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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