文献詳細
文献概要
今月の臨床 新生児診療—産科医のためのポイント 新生児蘇生法
2.人工換気法—マスク&バッグの適応
著者: 久靖男1
所属機関: 1久産婦人科
ページ範囲:P.1132 - P.1134
文献購入ページに移動 一般的には,マスク&バッグによる人工換気法は気管内挿管の手技よりも簡単で誰にでもできる手技として受けとられているが,これは大きな間違いである.適切なサイズのマスクを正しくフィッティングして把持し適切な圧と回数で補助呼吸または強制呼吸をすることは,かなりのトレーニングを必要とする.とくに新生児は気道が狭く,舌根部が大きいため頸部の過度の伸展や圧迫により簡単に気道が閉塞されてしまうため,マスク&バッグによる人工換気はけっこう難しい.また正しくフィッティングできないときは,リークして加圧できないばかりか,冷たい酸素が前額部にかかって体温を下げ,酸素消費量を高めたり,眼窩の圧迫や擦過傷をつくることもある.
筆者は麻酔科医時代故恩地 裕前麻酔科教授が救急医療の整備充実のために救急隊員を麻酔科医の指導のもとに手術場でマスクやバッグの実践的なトレーニングをされているのを見て感銘したことを覚えている.出産にかかわる産科医や助産婦にも同様のpracticalなトレーニングが行われる必要があると思われる.
筆者は麻酔科医時代故恩地 裕前麻酔科教授が救急医療の整備充実のために救急隊員を麻酔科医の指導のもとに手術場でマスクやバッグの実践的なトレーニングをされているのを見て感銘したことを覚えている.出産にかかわる産科医や助産婦にも同様のpracticalなトレーニングが行われる必要があると思われる.
掲載誌情報