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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻1号

1997年01月発行

文献概要

今月の臨床 着床 着床不全の病態と治療

1.黄体機能不全

著者: 樋口泰彦1

所属機関: 1杏林大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.38 - P.41

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黄体の形成と黄体機能
 排卵前期に下垂体から放出される大量のLH(=LHサージ)によって排卵現象,すなわち卵の減数分裂再開,卵胞細胞の黄体化,卵胞破裂が開始される.排卵後に空になった主席卵胞腔は血液で満たされ,莢膜細胞からフィブリン線維に沿って毛細血管が内方に伸び,顆粒膜細胞と莢膜細胞の細胞質は肥大化して脂質を多く含むようになり,血管が間質に新生され,いわゆる黄体が形成される.形成された黄体の刺激と維持は主に下垂体からのLHパルスにより行われている.
 黄体の産生するステロイドホルモンにより標的臓器である子宮内膜は妊卵の着床に適した状態に形態的変化を遂げる.黄体の機能不全は黄体期子宮内膜の異常を惹起し,結果として黄体期出血や妊卵の着床障害,不妊,習慣流産の原因となる.したがって,黄体機能は視床下部—下垂体—卵巣系の内分泌学的機能だけでなく,子宮内膜機能の面からも評価する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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