文献詳細
今月の臨床 妊娠初期を診る
胎児発育の評価
文献概要
超音波断層法の導入により周産期管理は大きく変貌を遂げたが,なかでも経腟超音波断層法の普及により,妊娠初期における胎児発育が段階を追って評価できるようになったことは特筆に値する.すなわち,妊娠4週のはじめから子宮内にGS(gestational sac:胎嚢),妊娠4週の半ばから卵黄嚢(yalk sac),妊娠5週の後半には胎芽(embryo)像ならびに心拍動が観察されるなど,日単位・週単位で胎児発育を捉えること1)が可能となったのである.この時期の超音波断層法を用いた胎児発育の指標には,GS,長径,CRL(crown—rump length:頭殿長,図1),およびBPD (bi—parietal diameter:児頭大横径)が用いられている.通常,妊娠4〜6週ではGS,妊娠7〜12週ではCRL,それ以降ではBPDが最も信頼される指標となる.
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