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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻10号

1997年10月発行

文献概要

連載 産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン—私のノウハウ

診断用ヒステロファイバースコープ操作のコツ

著者: 高島英世1

所属機関: 1兵庫県予防医学協会

ページ範囲:P.1116 - P.1116

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1.頸管通過法
 診断用ヒステロファイバースコープの長所は,先端径が細く(オリンパス社製3.6mm),先端可曲性で頸管および内子宮口を容易に通過できる点である.通常はヘガール拡張器による頸管拡張は不要である.しかし頸管内壁に不規則な凹凸があり,頸管にゆがみがあるとスコープがスムーズに通過できないことがある.この際スコープ基部にあるレバーを操作し,先端を上下に屈曲させ(上下それぞれ100度可),一方,スコープ基部を左右にひねり,先端を回転させることにより頸管を通過することができる.外子宮口径が狭ければ,先細ケリー鉗子で少し拡張し,スコープ先端だけを挿入する.生理食塩液を灌流し水圧で頸管を拡張しながらスコープを少しずつ挿入する.頸管深部は通常は視野の中央に小楕円形の孔として見える.この孔を直視できるよう上下方向にレバーを操作し,スコープを左右にひねる.つねに孔が視野の中央に見えるように調節しながら,奥のほうへスコープ先端を押し進める.図aのように孔が視野の右上にあればレバーを前に押して先端を上へ向け,スコープを長軸に対し右方向に回転させる.図cのように視野の左下なら,レバーを後に押してスコープの先端を下に向け,スコープを長軸に対し左方向に回転させる.内子宮口を通過すると図eのように視野は広がり子宮腔下部が観察される.頸管のゆがみに合わせてスコープを屈曲させることがコツである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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