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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

今月の臨床 男性不妊をどうする

Overview

2.最近の男性不妊の動向—泌尿器科の立場から

著者: 田中啓幹1

所属機関: 1川崎医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.1144 - P.1148

文献概要

 不妊症とは「少なくとも1年間避妊をせずに妊娠をしないこと」と定義され,一般に約15%の夫婦が不妊夫婦といわれている1,2).WHOの調査では夫婦の約8%,世界で年間200万組の夫婦が新しく挙児に恵まれないことになり,先進国では50年来,発展途上国でも20年来の社会的緊急問題として取り上げており,これを年間の新患者数が590万人の悪性腫瘍罹患数と対比して考慮されるべきであるとしている3).不妊の原因は,1993年WHOが調査した7,273組の不妊夫婦によると,女性側のみの原因が41%,男性側のみが24%,男女共が24%,原因不明が11%であったとしており4),男性因子の関与が約半数という従来の報告5)ともよく一致している.
 これに鑑みてWHOは,1980年に発刊したヒト精液と精子—頸管粘液相互作用に関する検査マニュアルを1987年と1992年に改訂し6),さらに1993年世界で同じ土俵(flow chart)で評価できるよう不妊症の基準検査法と診断法のマニュアル3)を刊行している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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