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今月の臨床 男性不妊をどうする 診療上の必須知識
1.精子の形態と精子形成
著者: 荒木康久1 荒木重雄2
所属機関: 1高度医療技術研究所 2自治医科大学産婦人科
ページ範囲:P.1150 - P.1153
文献購入ページに移動精子の形は厳密にみるとさまざまな形態と大きさを有している.正確に形や大きさを知るには,塗抹・染色をして観察する必要がある.筆者らは簡便なディフクイック染色法を用い,Krugerのstrict criteriaに従い分類している1).精子の各部の形態は次のとおりである(図1).
精子頭部:精子には一般細胞にみられるような細胞質はほとんどない.ヒトの精子頭部は平面像で見ると小楕円形で,ほぼ前半部を先体に覆われ赤道帯は線状にみえる.頭部の内部は核(nucleus)である.精子核は受精の結果,母方の核と融合し個体発生が始まる.受精能獲得精子では先体の構造が破壊され,先体成分が放出される.
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