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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

今月の臨床 男性不妊をどうする

AIHの工夫

2.凍結保存精子のARTへの応用

著者: 兼子智1 小田高久1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院産婦人科

ページ範囲:P.1176 - P.1178

文献概要

 ヒト精液の凍結保存に際して最も問題となるのは凍結保存液添加による精子濃度の半減,凍結—融解による運動率低下である.このため精子凍結保存法の不妊治療への応用はAIDに供するドナー精液の凍結備蓄にほぼ限定されており,精液所見不良症例は凍結保存の対象とされなかった.このため,AIH,IVF-ETなどの人工的な授精(ART)は新鮮精液の使用が前提となっており,排卵(採卵)と射精のタイミングをいかに同調させるかに関心が払われてきた.薬物療法による造精機能賦活が困難な現状では,精子を効率よく凍結保存できれば排卵当日以外に得られた精液を利用することが可能となり,実質的には造精機能を賦活したのと同様な結果が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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