icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

今月の臨床 男性不妊をどうする

男性不妊とIVF

2.精子活性化とIVF

著者: 藤野祐司1 尾崎宏治1 中村嘉宏1

所属機関: 1大阪市立大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1194 - P.1196

文献概要

 生殖医療の進歩はめざましく,とくに体外受精,顕微授精を含めた生殖補助技術の発展には著しいものがある.これら生殖補助技術,なかでも体外受精の適応の一つに男性不妊が含まれる.これは受精に必要な精子数がin vivoに比べるとinvitroで必要な数がはるかに少数であるためである.しかしながら一般的な体外受精においては,とくに男性不妊の場合,形態ならびに運動性の優れた精子を回収,培精に用いても,必ずしも高い受精率が得られない場合がある.この原因の一つとして精子の活性化が大きな問題としてクローズアップされている.
 一般的に精子細胞は精巣で作られるとただちに運動性や受精能を発現するものではなく,精巣上体内で運動性を獲得し,射精後,雌性生殖管内を通過する過程で,受精能を獲得し先体反応(capacitation)を引き起こしてはじめて卵丘細胞,透明帯を通過することが可能となり,その結果,卵細胞との融合が可能となる.in vivoの受精においては,雌性生殖管子宮頸部(頸管粘液)—子宮を通過する過程で精漿や細菌などの除去,さらに運動精子の選別が行われ,上記の過程を経て受精に至る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら