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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

文献概要

今月の臨床 男性不妊をどうする 男性不妊とマイクロ授精

1.マイクロ授精法の現状

著者: 小林一彦1

所属機関: 1加藤レディスクリニック

ページ範囲:P.1198 - P.1199

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 近年,通常の体外受精では,受精が成立しない難治性男性不妊に対する治療として,顕微授精が一般的に行われるようになった.顕微授精には透明帯部分切開法(partial zona dissection:PZD,Cohenら1)),囲卵腔内精子注入法(subzonalinsemination:SUZI, Ngら2))および卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection:ICSI, Palermoら3))などの方法がある.
 これらのうちPZDおよびSUZIは,卵子透明帯の貫通という過程を顕微操作で省くことにより,精子を卵細胞へ容易に到達させて,受精を促進するということを目的として開発された.しかし受精が成立するには,卵細胞膜と接着するための精子の運動性,および先体反応を完了し卵細胞膜と融合する能力が必要であり,精子がそれらの条件を満たしていない症例では,上記の顕微授精法は有効な治療法とはならなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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