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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

今月の臨床 男性不妊をどうする

男性不妊とマイクロ授精

3.マイクロ授精法の問題点

著者: 高橋克彦1 向田哲規1

所属機関: 1広島HARTクリニック

ページ範囲:P.1205 - P.1207

文献概要

 卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmicsperm injection:ICSI)の成功によって乏精子症はもちろん,閉塞性・非閉塞性無精子症,脊髄損傷,インポテンツなどの症例でも,精巣精子を使用することで,実子を得ることが可能となった.さらに非閉塞性無精子症で精巣精子が見つからない症例でも,精子細胞にて挙児が得られる時代となっている.ICSIにおける受精のメカニズムについてはいまだ明らかではないが,受精障害に関する男性不妊の問題は,ICSIによってほぼ解決されたと筆者らは考えている.しかしながら不妊症治療のゴールが挙児である以上,受精させても,着床,妊娠,出産といった一連の過程は女性側の因子に大きく左右されるという事実がある.ICSIによる妊娠率は精液性状ではなく,女性の年齢と最も相関しているという結果を筆者らも得ており,マイクロ授精法の問題点も男性側ではなく,結局のところ女性側にあるのである.
 本稿では,HARTクリニックで行った約1,500例のICSIについて得た結論と文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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