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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻11号

1997年11月発行

連載 Estrogen Series・21

低用量ピルと脳卒中の発生(その3)

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.1220 - P.1221

文献概要

 ピルの使用が開始されると間もなく,その使用者に肺塞栓と虚血性脳卒中の発生が観察される,との報告がなされた.1970年代の初期にはさまざまな疫学的調査により,この関係が確認された.1970年代にはピルと心筋梗塞との関連,およびピルと出血性脳卒中との関連が示された.
 ピルの使用の初期には,そのエストロゲン(Ethynil Estradiol:E.E.)含有量は150μgであった.その後エストロゲン量の減少が続き,1970年代のはじめには80〜100μgとなり,その後50μgとなり,さらに現在では30〜35μgのピルが米国では主流である.また米国では心血管系疾患のリスク要因を持つ女性にはピルを使用しないのが通常である.ここに紹介する論文の著者らは,HMOに属する110万人の女性(年齢15〜44歳)中に408例の脳卒中を見いだした.その発生率は10万woman-yearsにつき11.3であった.このうちフォローの不可能なものなどを除いて,残りの295例を対象にコントロール群と比較対照するcase-control studyを行った.これら女性の96%はエストロゲン(E.E.)<50μgの低用量ピルの使用者であった.また,50μg以上のピルの使用者は皆無であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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