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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻12号

1997年12月発行

文献概要

今月の臨床 子宮筋腫—最新情報 病因・疫学

3.若年筋腫は増加しているか

著者: 杉本充弘1 池谷美樹1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター産婦人科

ページ範囲:P.1256 - P.1260

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 子宮筋腫は30〜40歳台の性成熟期の女性に好発する婦人科領域で最もよくみられる良性の腫瘍である.しかし,その正確な頻度,発生要因はいまだ十分には解明されていない.初経前に子宮筋腫が発育することはまれであること,妊娠中および性ステロイド剤投与により筋腫が増大することがあること,GnRHアゴニスト療法により筋腫が縮小すること,閉経後には子宮筋腫の退縮がみられることなどから子宮筋腫の発育に性ステロイド(エストロゲン,プロゲステロン)が大きな影響を与えていると考えられてきた1).また医療環境の変化として,①初経年齢の早発化,②少産化に伴う授乳期間の短縮,③閉経年齢の延長,④閉経後のホルモン補充療法の普及など,性ステロイドの影響を増大させる因子がある.一方,①少産化に伴う妊娠期間の短縮,②GnRHアゴニスト療法の普及など,性ステロイドの影響を減少させる因子もみられる.その結果,臨床で遭遇する子宮筋腫の頻度には変化が生じているのか,なかでも若年者(29歳以下)に増加しているのかは明らかではない.そこで,日本赤十字社医療センターにおける1973年から1996年までの24年間の子宮筋腫手術症例6,639例の検討を行い,子宮筋腫の疫学の一端を明らかにすることを試みた.なお若年女性とは何歳以下をいうのか定義はなく,老人保健法が30歳以上を対象としていることもあり,今回は29歳以下を若年とした2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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