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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻12号

1997年12月発行

今月の臨床 子宮筋腫—最新情報

治療法の選択

4.閉経期前後の巨大筋腫をどうするか

著者: 中村幸雄1 土屋清志1 勝又木綿子1

所属機関: 1杏林大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1300 - P.1302

文献概要

 子宮筋腫の頻度は外来患者の10%前後,手術患者の5%前後を占めると言われているが,症状を伴わない小さな筋腫まで含めればおそらく50%以上の婦人に筋腫は存在すると推定される.子宮筋腫は主としてエストロゲン依存性であり,通常は閉経期になり卵巣からのエストロゲン分泌が減少すれば筋腫は縮小する.しかし,筋腫を有する婦人では50歳以上になっても卵巣機能は低下せず,月経血量はむしろ若いころより増加し,なかなか閉経に至らない.
 巨大筋腫のはっきりとした定義は存在しないが,ここでは一応成人頭大以上の筋腫を巨大筋腫と仮に定義しておく.筋腫が巨大になるまで放置されるのは症状の軽い,子宮の漿膜より外側に発育する漿膜下筋腫に限られ,粘膜下筋腫,筋層内筋腫では過多月経,貧血などの症状が強いため巨大になるまで放置されることはきわめて稀である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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