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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻3号

1997年03月発行

文献概要

今月の臨床 妊娠中毒症—どのように変わったか トピックス

6.カルシウム内服と妊娠高血圧発症防止

著者: 日高敦夫1

所属機関: 1大阪市立総合医療センター

ページ範囲:P.310 - P.311

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 多くの疫学的調査1)により,Ca摂取量と血圧値との間に負の相関があることが明らかとなってきた.非妊娠成人では,1日Ca摂取量450〜500 mgが血圧に対する効果の閾値とされ,これより少ないと高血圧の発症頻度が高くなり,一方1〜2g/日を6週間以上摂取することにより降圧効果をみるという.なお現在,日本人のCa摂取量は1日約550mgで,必要量の600mgを下回っている.
 妊婦においても,豊富なCa食を摂っている地方では妊娠高血圧症(PIH)の発症頻度が低く,また妊娠15〜26週頃より1日1〜2gのCaを経口投与することによりPIHの発症を予防する効果の可能性があることが報告され2,3),1994年のメタアナリシスの検討4)でも,その有効性と早産防止効果が確認されている.なおこれらの対象例はほとんどが未産婦で,経産婦の再発防止に関する検討はされていない.ところで経産婦の再発防止には,初回妊娠時よりも肥満にならないように,また次回分娩も2〜3年後に計画するように指導することが望ましい5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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