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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻3号

1997年03月発行

連載 産婦人科クリニカルテクニック

ワンポイントレッスン—私のノウハウ

腟式子宮息肉様筋腫摘出術における扁桃絞断器の応用

著者: 関隆1 持丸文雄1

所属機関: 1平塚市民病院産婦人科

ページ範囲:P.317 - P.317

文献概要

 外子宮口より腟内へ脱出した子宮息肉様筋腫,いわゆる筋腫分娩はしばしば不正出血や過多月経をともない,保存的療法は無効である.一般には,尖刃刀または電気メスによる筋腫茎切断術や,レゼクトスコープを用いた経頸管的筋腫核切除術,さらには子宮全摘術などの外科的治療を必要とする.しかしこれらの手術法は,手術室にて種々の機器を準備し,適切な麻酔管理のもとに行わなければならない.そこできわめて簡便な方法として,筆者らは耳鼻科用扁桃絞断器を用いた筋腫茎の無結紮切断術を日常外来診療の一環として行い,良好な成績を得ている.
 対象は茎の太さが約1cm未満の,比較的小さな筋腫分娩および頸管ポリープで,扁桃絞断器(Bruening's tonsil snare)および専用の鋼鉄線(Bruening's stell snare wire)を用意する.まず扁桃絞断器に鋼鉄線を装填し,ループを通して有鉤鉗子にて筋腫核を把持する。図のように,ループを筋腫茎の根部に可能なかぎり深く送り込み,続いて鉗子を牽引しつつループを絞扼し,茎を切断して筋腫核を切除する.この際牽引が十分で,ループが確実に茎の根部にかかれば,少々子宮壁を切り込む状態で,筋腫核は茎とともに完全に切除可能である.牽引が不十分な場合は,茎の遺残を多少認めることがあるが,術後の筋腫の再増殖や過多月経は通常認められず,内視鏡下切除などの追加処置は不要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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