icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻4号

1997年04月発行

今月の臨床 低用量ピル—新しい避妊法を知る

低用量ピルの副効用

著者: 髙橋健太郎1 宮﨑康二1

所属機関: 1島根医科大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.402 - P.405

文献概要

 経口避妊薬(ピル)は現在全世界で6,000万人以上の女性が使用していると言われており,最も避妊効果がある(0.07100婦人/年)避妊法である.ピルは欧米での35年の長い使用経験から,その効用および副作用などについては数多くの研究がなされている.発展途上国においては,人口問題の観点から避妊効果の優れたピルは高く評価され使用されてきた.しかし,先進国においては,避妊効果の高い評価の反面,虚血性心疾患,高血圧,静脈血栓症などの副作用が強調されてきた.わが国においても,これらの副作用が広く報道され,実際にはまれな危険因子であるにもかかわらず「ピルは副作用が強いもの」として一般女性の考えが定着しているのも事実である.
 しかし,ピル服用者は骨盤内感染症,子宮外妊娠,卵巣貯留嚢腫,子宮内膜癌および良性卵巣腫瘍の発生を予防し,月経異常を軽快させる利点があることが認められている.またConnell1)によればピルを服用することにより,約6万人のこれらの疾患の患者の入院を阻止することができると報告している(図1).以上より,従来強調されてきたピルの危険性のみでなく,避妊以外の効用も再検討する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら