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CURRENT RESEARCH
子宮頸部発癌とヒトパピローマウイルス
著者: 永井宣隆1
所属機関: 1広島大学医学部産科婦人科学講座
ページ範囲:P.429 - P.436
文献購入ページに移動 子宮頸癌の発生に関する研究を始めた背景には,頸癌の前駆病変としてCIN(cervicalintraepithelial neoplasia)の概念を提唱した米国コロンビア大学婦人科病理学のRichart教授のもとに留学する機会が得られたこと,留学した1984年は,西独のzur Hausen教授らにより頸癌組織中でHPV 16型DNAが同定された翌年であったこと,Richart教授の教室でもCrum講師(現ハーバード大学)を中心に分子生物学を導入し,頸癌とHPV 16型の関連を調査し始めたことなどが挙げられる.
留学当初はSouthern blot法で頸癌のHPV16型,18型DNAを検出していたが,その後組織内でのHPV DNAの検出にも関心を覚え,当時はまだ新しかったビオチンなど非放射線物質でラベルしたprobeによるin situ hybridi—zation(ISH)法を確立でき,病理組織切片上で感染したHPV DNA局在の観察が可能となった意義は大きかった.
留学当初はSouthern blot法で頸癌のHPV16型,18型DNAを検出していたが,その後組織内でのHPV DNAの検出にも関心を覚え,当時はまだ新しかったビオチンなど非放射線物質でラベルしたprobeによるin situ hybridi—zation(ISH)法を確立でき,病理組織切片上で感染したHPV DNA局在の観察が可能となった意義は大きかった.
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