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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻4号

1997年04月発行

原著

Recombinant human erythropoietinを併用した至適自己血貯血法についての検討

著者: 井谷嘉男1 伊藤公彦1 安達進2 斎藤謙介2 野田恒夫3

所属機関: 1兵庫県立西宮病院産婦人科 2済生会富田林病院産婦人科 3聖隷三方原病院産婦人科

ページ範囲:P.439 - P.443

文献概要

 婦人科手術例にて,液状保存による術前自己血輸血法(自己血輸血)を行い,①保存期間による血液劣化を評価し,有効で効率的な自己血採取法を検討した.貯血後72時間未満の血液をearly(E)群,72時間以上7日以内をmid(M)群,8日以上21日以内をlate(L)群と3群に分類し,血液生化学的変化を検討したところpH,カリウム値,アンモニア値,重炭酸イオン値,base excessで,L群はE群,M群より有意に劣化した.②遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン(rh-EPO)のエポエチンアルファ併用群21例,エポエチンベータ併用群16例とrh-EPO非使用群10例の3群を設定した.貯血量が800mlを越すとヘモグロビン(Hb)濃度変化量や体重から概算した総Hb変化量はrh-EPO使用2群で有意に高値を示した.以上より,自己血輸血を行う際はrh-EPOを併用し,自己血を新鮮血化できるスイッチバック法が勧められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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