文献詳細
症例
妊婦イレウスの診断・治療について—自験例をもとに
著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2
所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2みずうち産科婦人科
ページ範囲:P.445 - P.449
文献概要
今回,24週0日で切迫早産,筋腫核変性および感染の疑いで入院管理中,突然嘔気・嘔吐,右側腹部痛が出現,イレウスと診断し,保存治療により軽快,以後経過良好であった.妊婦イレウスの診断は遅れがちであるが,イレウスという疾患を念頭におくこと,ハイリスク症例の認識,超音波法を有効に活用することが診断の要点と思われた.治療については,腸管の蠕動に対して抑制的に作用するβ2—stimulant投与の是非や胎児管理の問題もあり,問題が複雑であるため妊婦イレウスとしての独立した取り扱いの検討が必要ではないかと思われた.
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