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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻5号

1997年05月発行

今月の臨床 エコーガイド下で何ができるか

産科

6.Discordant twin, TTTSの治療

著者: 田中守1 宮越敬1 吉村泰典1

所属機関: 1應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.524 - P.526

文献概要

 Discordant twinは、双胎における双胎胎児の出生時体重が一定以上異なるものと定義され,予後不良のハイリスク群とされている.Discordanttwinの原因は多岐にわたるが,とくに1絨毛膜性双胎での胎盤上血管吻合における血流のアンバランスにより発生する双胎間輸血症候群(以下,TTTS)によるものは,予後不良として知られ注目されている,典型的なTTTSは,双胎胎児の1児が供血時として貧血,羊水過少となり,他児が受血児として多血,羊水過多となり.Discordanttwinとなる(図1).
 一卵性双胎は受精卵の分離によって生じるが,表1に示したように,分離が生じる時期によって絨毛膜の数,羊膜の数が決定される.このうち絨網膜が形成された後に分離した場合,胎盤が共有された1絨毛膜性双胎となりTTTSの発生の可能性が生じる.したがって,TTTSの早期診断早期治療のためには、妊娠初期に1絨毛膜性双胎であることを診断し,厳重な経過観察を行うことが必要であると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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