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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻5号

1997年05月発行

症例

陶器様卵巣:びまん性石灰化皮様嚢腫の1症例

著者: 浜本鉄也1 岡田清2 宮川昇2 高橋英彦2 石川みずえ2 茂古沼吉宗3 小林由子3

所属機関: 1多摩南部地域病院検査科病理 2多摩南部地域病院婦人科 3多摩南部地域病院放射線科

ページ範囲:P.565 - P.568

文献概要

 患者は78歳,女性.腰痛を主訴に整形外科通院中,腹部単純X線写真で骨盤腔内に輪状石灰化を指摘された.当院婦人科紹介入院,術前のCTでは約9cm径の嚢胞性腫瘤で嚢胞壁はびまん性の石灰化,また内腔は脂肪と液体の2層性を示していた、付属器摘出術が施行され,術中診断は右卵巣皮様嚢腫で重さ375g,嚢胞内容には毛髪と脂質成分が確認された,病理組織学的所見は肉眼的には多房性の卵巣嚢胞で嚢胞壁は骨様あるいは陶器様に硬く触れ,また組織学的には嚢胞壁は瘢痕様の線維化およびびまん性に顕著な石灰化を示していた.
 本例にみられるびまん性石灰化皮様嚢腫は,腹部単純X線写真および触診上,陶器様胆嚢にきわめて類似しており,本例を陶器様胆嚢に因んで陶器様卵巣と呼称することを提唱したい.また陶器様卵巣は皮様嚢腫のきわめてまれな合併症と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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