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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻5号

1997年05月発行

症例

70歳女性に発症したChlamydiatrachomatisによるPIDの1例—卵巣癌との鑑別について

著者: 竹原和宏1 谷岡祥子1 赤木武文1

所属機関: 1公立三次中央病院

ページ範囲:P.569 - P.572

文献概要

 クラミジア感染症によるPIDで血清CA125値が高値を示し,骨盤内に腫瘤を認めた症例を経験した.
 症例は70歳で腹部膨満感,腹痛を主訴として来院した.初診時超音波およびCT検査にて著明な腹水貯留とともに骨盤内ダグラス窩に辺縁不整で内部不均一な手拳大の腫瘤を認めたため悪性卵巣腫瘍を疑った.腫瘍マーカーはCEA,AFP,CA 19-9,STNは基準値以下であったが,血中CA I 25値は1,020 U/mlと上昇していた.感染症の検索でクラミジア抗体陽性であったため抗生剤(LFLX→CAM)の投与を開始したところ腹水は消失し,CAI25値も下降,骨盤内腫瘤も消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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