文献詳細
症例
70歳女性に発症したChlamydiatrachomatisによるPIDの1例—卵巣癌との鑑別について
著者: 竹原和宏1 谷岡祥子1 赤木武文1
所属機関: 1公立三次中央病院
ページ範囲:P.569 - P.572
文献概要
症例は70歳で腹部膨満感,腹痛を主訴として来院した.初診時超音波およびCT検査にて著明な腹水貯留とともに骨盤内ダグラス窩に辺縁不整で内部不均一な手拳大の腫瘤を認めたため悪性卵巣腫瘍を疑った.腫瘍マーカーはCEA,AFP,CA 19-9,STNは基準値以下であったが,血中CA I 25値は1,020 U/mlと上昇していた.感染症の検索でクラミジア抗体陽性であったため抗生剤(LFLX→CAM)の投与を開始したところ腹水は消失し,CAI25値も下降,骨盤内腫瘤も消失した.
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