文献詳細
今月の臨床 治療困難例の排卵誘発
ゴナドトロピン療法
文献概要
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではクロミフェンなどの経口排卵誘発剤には反応しないことがある.したがって,挙児希望の患者の場合には,ゴナドトロピン療法を施行せざるを得ないが,他の排卵障害の患者と比較して,多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が高率に起こる1)ことが,経験上よく知られている.しかし,なにゆえPCOSにおいてOHSSが高頻度に起こるのかについて,明確に説明した論文は筆者の知るかぎりでは見あたらない.そこで本稿では筆者の臨床経験と発表された文献を参考にして,筆者なりの考えを述べてみたい.
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