文献詳細
今月の臨床 治療困難例の排卵誘発
ゴナドトロピン療法
文献概要
初期の体外受精—移植(以下,IVF-ET)は自然排卵周期で行われていたが効率が悪いため,その後クロミフェンやhMG剤を使用した,いわゆる過排卵誘発法が用いられるようになった.多くの良質成熟卵を得ることで多くの良質胚を得,複数の胚を移植することでIVF-ETの成績は飛躍的に向上した.しかしこの方法では早発性LHサージが出現するという欠点があるため,現在ではGnRHa剤にて下垂体からのゴナドトロピン分泌を抑制してhMG剤を大量に投与する過排卵誘発法が主流となっている.しかしこのようにhMG剤を大量に投与しても十分な卵胞の発育の認められない症例をpoor responderと称するようになった1).このような症例は当然のことながら妊娠率は低く,その効果的な治療法が期待されているが,いまだ確立されていないのが現状である,以下治療法を中心に考察し,筆者らが試みている方法について述べる.
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