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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻6号

1997年06月発行

今月の臨床 治療困難例の排卵誘発

その他

1.前回の排卵誘発時に多胎妊娠であった症例への注意点は

著者: 高橋健太郎1 尾崎智哉1

所属機関: 1島根医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.624 - P.626

文献概要

 近年の補助生殖医療の進歩に伴って排卵誘発剤,とくにhMG製剤を使用する機会が多くなっている.排卵誘発剤は排卵率,妊娠率を著しく改善する一方で,卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠の発生頻度を増加させた.多胎妊娠は母体合併症と胎児予後の点からハイリスク妊娠として集中管理の対象とされているものであるが,とくに四胎以上の妊娠には母子の生命リスクをさらに高めるといった医学上の問題点が指摘されている.
 一方,不妊治療法における最終的評価は妊娠率の向上はもちろん,いかに多くの不妊患者が安全に周産期を経て健児を得るかにある.その意味でも不妊治療において多胎妊娠はできるかぎり避けなくてはならない事項である.実際の不妊治療において,前回の妊娠が排卵誘発法による妊娠であり,今回の妊娠も排卵誘発剤を必要とするケースが多々ある.なかでも前回の妊娠が多胎妊娠であり,不幸な転機をとった場合,今回の治療法の選択には苦慮することが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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