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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻6号

1997年06月発行

今月の臨床 治療困難例の排卵誘発

その他

2.排卵誘発時に黄体化無排卵卵胞(LUF)が起こるのは

著者: 栃木明人1 栃木武一2 佐藤和雄1

所属機関: 1日本大学医学部産婦人科 2川口市立医療センター産婦人科

ページ範囲:P.628 - P.629

文献概要

 黄体化無排卵卵胞(luteinizing unruputu redfollicle:LUF)は1975年Jewelewicz1)によって提唱されて以来,原因不明の不妊症の一因として注目されている.臨床的に排卵は黄体化の形成の徴候を確認して行われており,排卵現象を知る最も簡便な方法である基礎体温(BBT)が汎用されている.これは,排卵後に形成される黄体により分泌されるプロゲステロンの代謝物による体温中枢刺激によって生じる体温上昇をみているものであり,その他子宮内膜の分泌期象,血中プロゲステロン値の上昇などがあるが,直接の証明とはならない.一方,腹腔鏡や超音波によって排卵が確認されるにつれて,BBTやその他の検査所見で黄体化現象が推定されても,排卵機構は障害され卵胞が存続するという病態(LUF)が確認されている.しかし,LUFの確定診断が,stigma(卵胞壁の破裂孔)の欠如,卵胞壁の黄体化,卵胞内容液中の卵の存在の確認などによることから,より直接的な卵胞の確認が必要とされる.本稿では排卵誘発時のLUFについて知見を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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