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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻6号

1997年06月発行

連載 Estrogen Series・16

黄体ホルモンはどのようにしてHRTに伴う内膜癌を減少させるか?

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.634 - P.637

文献概要

 子宮摘除術後の更年期女性に対するHRTはエストロゲンのみで十分であるが,子宮があればエストロゲンには黄体ホルモン(以下,プロゲスチンズ=progestinsと記す)を併用しなければならない.今回は最近のContemporary OB/GYN誌に掲載されたreviewをご紹介する.以下にその要旨を記す.
 子宮内膜にエストロゲンのみを作用させると,エストロゲン受容体が増加し,内膜の増殖が起こるが,プロゲスチンズを与えるとその増殖は抑制され,最終的に内膜癌の発生を減少させる.プロゲスチンズには,同時に内膜の分化(differentia—tion)と脱落を促進させる作用がある.そのような抗エストロゲン作用は,一部には内膜中のエストラジオール受容体の減少による.また,プロゲスチンズはエストラジオールをより活性の低いエストロンに変換する特定の酵素(estradiol 17—beta-dehydrogenase)を増加させる作用がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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