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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻7号

1997年07月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科がんの化学療法—われわれはこうしいる

末梢血幹細胞移植による進行卵巣癌の治療

著者: 篠塚孝男1 平澤猛1

所属機関: 1東海大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.740 - P.743

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 白金製剤を主体とした多剤併用療法により,臨床進行期III・IV期の進行卵巣癌においても治療成績の改善が得られるようになったかに見えたが,それらの長期予後成績を文献上の報告からみるとけっして満足できるものではなく,5年生存率は25〜30%でプラトーとなっているのが現況である.しかし一方で,消化器系の固型癌においては,腹腔内播種や胸水貯留がみられるようになるまで進行した症例は積極的な治療の対象とはならないが,卵巣癌ではこのような症例でも可能な限りの腫瘍摘出を行ったあとにシスプラチン(CDDP)を主体とした抗癌剤を投与すれば,それなりの治療効果が得られることが判明している.このことは卵巣癌が消化器系の癌よりも抗癌剤に対する感受性が高いことを示しており,手術療法に加えて化学療法にも工夫を加えることにより,長期予後においても治療成績の向上が得られる可能性のあることを示唆する重要な事実と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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